「日本公演」に向けて、アーティストであるわたしたちは、
自分たちの「外見」を、なんとかすることになった。
先日の大野さんのサジェスチョン
「日本では『しみ』もかくす!」に、恐れおののき
「このまま」日本に行ってはいけないことを、
はっきりと認識したのであった。
わたしは、あらためて自分の姿を、姿見に映してみた。
「う~ん・・・」
困った。いちおう均整はとれているが、
なにしろ「手入れ」というものが、されていない。
庭や盆栽と同じで、なにごとも
適度に人の手が加えられているのが、のぞましい。
「野生児・・・」
なにしろ美容院にも、もう3年以上行っていない。
髪の毛は、自分でカットしていた。
最初のころは、見るも無残であったが
人間なんでも慣れるもので、最近では上手に、
毛先をすいたり、段も入れられるようになっていた。
「美容院、行く?」
ベラが心配そうに、たずねる。
日本初上陸で、緊張気味のベラは、
わたしの知らぬまに、襟足をきれいに剃ろうとして、
なんと左側のもみあげを、剃り落としてしまったのだった。
「どうしたの、もみあげ・・・」
言葉を失うわたしに、
「あと1週間あるから、きっと生えてくるよね」
って、無理だと思う、とはさすがに言えなかった。
今までマラガの太陽の下、野生児のように生きてきて
急に「美しくなろう」とすることが、まちがっているのだ。
わたしは、観念すると
「外見に気づかうひまがあったら、日本語の挨拶!」
と、方向を「美」から「知」に180度、転換した。
「お、お、おせわに・・・・なりますか?」
「疑問文にしない!」
「おいしかったです。ご、ご・・・ごめんなさ~い」
「ごちそうさま、でしょ!」
だめだ。「美」も「知」も。
頭をかかえていると、ベラがバイオリンを手にして現れた。
「練習しよ!」
そうだよね、わたしたちには「音」がある!
しみだらけでも、もみあげがなくても平気。
「音楽は、魔法の風」
「音楽に国境はない」
まだ見ぬ日本に、思いをはせ
毎日、日本語の練習をするベラの丸い背中を見ながら
「音楽はきっと、わたしたちをひとつにしてくれるにちがいない!」
と、まだ見ぬ日本のみなさんの姿を思った。
日本着いたら豊橋に来て下さい、岩田の運動公園のそばの美容室ですヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
私、美容師なんで
中岩田1-11-1
美容室フォリエッタ
8時オープンです