マラガ市主催の「油絵教室」に、通い出して八か月。今期はプログラム上「静物画」を描く予定であった。が、どうしても「アンダルシアの白い村」が描きたかったので、トニー先生に必死で訴える。
「油絵を始めたのは『白い村』を描くためなんです!お願いします」
最初はもちろん、軽く却下。そうであろう。静物画は大切です。そこで引き下がるようなちっぽけな「ガナ(やる気)」ではないので、さらに情熱を持って訴える。仁王立ち。腹式呼吸。目には炎!
この「情熱を持って」というところがポイント。マラガ的。全身全霊で思いを伝えるのが、マラガでは日常生活の基本スタイルおよび通常のテンションなので、すぐに一気に燃え上がれる。瞬間沸騰。
「じゃあ、遠近法の勉強。ってことで、よしとしましょう」
やったー。私は大喜びだったが、教室内は騒然。なにしろ前代未聞の「静物画」飛ばし(笑)。勢いとは、恐ろしいものである。
で、白い村。なのであるが、私としては「遠近法」を無視した「ゆがんだ立体感」で描いてみたかったのが、さすがにこれ以上無理は言えない。まずは正しい遠近感で描き出した。
問題は、その次である。先生は白い村につきものの「植木鉢の色とりどりの花」や「きれいなグラデーションの青い空」などを、当然ながら期待し、要求した。
しかし、私の中では「作品のテーマ」はずばり、「ラべリントス(迷宮)」。初めて白い村に立った時に、私が感じた「吸い込まれていくような感覚」。ゆがんだ小道、アーチをくぐり抜け、どこへ続いているかもわからない階段・・・
その「感じ」こそが、私が描きたかったもの。だから「正しく白い村を描く」ことには、まったく興味がなかった。それで、当初の予定にはない階段を、先生の許可なく勝手に描き入れ、仰天された。
「奥へ奥へと続いている感じ」
階段を上り、やがて突き抜け、空へと昇って行く。その先はもちろん月である。それこそが描きたかったものであり、はっきり言って周りの白い壁は、そのための引き立て役、準備にすぎない。
最終的に時間切れで、これ以上は描きこめず、提出したのがこちら(写真三枚目)。直に見ると、もう少し緑っぽい。きっと先生は「展示会の搬入」で、いきなりこの最終版を見せられて仰天。だったと思う。なのに
「すごいイマジネーション!自分の世界を大切にしてね」
と、最初のすったもんだがうそのように、笑顔でコメントしてくださった。終わりよければすべてよし(笑)。オーレ!
マラガのセントロで、四日間に渡って行われた「展示会」(写真一枚目)。これにて油絵教室も終了。ほっとしていたら
「パステルやカーボン、やってみない?」
と、トニー先生。
そんな。誘惑に弱いのに。九月から開講。なのはいいが、また申し込むのに七時起き?の、三時間待ち?うーん。なんとかならないものか。
あ、言い忘れましたが、あんまり急いで「絵の具生乾き」のまま提出したので、サインを入れるのを忘れてました。それを教えてくれたが、教室仲間のフェデ。提出できたことにほっとして、展示会の最終日まで気づかなかった(笑)。テストだったら0点でしたね。
あ~~、素敵、素敵、素敵。
歩いて入って行けそうな絵です。
そしてもっとよく月が見える所まで登って行けそうな・・・
静物画と並んでても違和感ないし。
いつものmomoさんの絵から、もっとド派手なものを想像していましたが「静」のイメージです。
後でサイン入れて完成してくださいね♪
Mayさん、すてきなコメントをいつもありがとうございます。
そう言えば「静」のイメージですね。
暖色は、最後に入れたポイントの黄色だけ。
これが入れたくて「少しずつ描いていく、近づいていく」
という新しい経験をしました。