17.地中海のような西浦温泉

昨日の続き。吹き矢大会も無事終わり、西日親睦を深めたところで、再び車に乗る。本日の行き先&宿泊先は「西浦温泉」。ハビ吉とダビーのかねてからの願いであった
「布団に寝たい!着物が着たい!自然を楽しみたい!」
をかなえるべく、父が計画したもの。

父の運転で西浦温泉へ。部屋に案内されて、もうびっくり。なんという眺め。
「すごーい!まるで地中海。青い空、穏やかな浜辺。うわぁ、ヤシの樹まである」

私たちはもちろん、ハビ吉とダビーもさっそく写真撮影会を開始。なんだかとても素敵な眺め(写真一枚目)。これぞ三河湾。オーレ!これまで大阪、奈良、京都にはなかった開放感。風光明媚感。

さっそく海へ。夕食前の散歩にはもってこい。これが西浦温泉の魅力なのだ。
「なんだかマラガによく似てるねー」
「やっと海だ。視界が開けた~」
マラガっ子の私たちは、海。と聞くとがぜん、目が輝く。さっそく波打ち際を散歩(二~六枚目)。こうして父と海辺を歩くなんて久しぶり。やっぱり旅行はいいなぁ。

「うわー、海藻がいっぱい。こんなの初めて見た」
「海藻の匂いがするー」
やたら海藻に反応する二人。マラガの海には海藻なんてまったくない。ここでもひたすら写真&動画撮影会。

さて、浜辺散策の後は、部屋へ戻り夕食まで休憩。とはいえ、この間に
「浴衣を着る」
という一大イベントが待っている。もちろん、二人はどうしていいのかまるでわかっていないので、父がダビーを、私がハビ吉を着つけることに。

「あれま。けっこう似合うじゃん」
「そお?写真撮らなきゃ!」
もう何をしても撮影会(笑)。この写真もきっとスペインの友人間を駆け回るのであろう。

このまま浴衣でレストランへ行くことを伝えると
「おぉお、着物を着て夕食できるなんて!」
かなり喜んでいる様子。よかったよかった。厳密に言うと着物でなくこれは浴衣。それも旅館用の。とコメントするが、もちろん聞いてはいない。そんなこたぁどうでもいいのである。

さて、すっかり見ちがえった二人を連れて、夕食会場へ。本日はバイキングなので、好きなものを選んで自由に食べてもらえるのがいい。こちらも気楽(七~十枚目)。

まずは生中で乾杯!お寿司&刺身、天ぷら、魚介類料理、肉料理・・・何でも箸をのばす二人。
「スペインで食べたら、軽く100ユーロがするよね」
「だって握り六個で十ユーロもするんだから」

「パエジャがあったよ!見た?」
「ええー、本当?」
はて、と思いながら確かめると、案の定。それは、貝などがまぶされた味ごはん。であった。

久しぶりの宴会気分。食べて笑って。飲んで笑って。以前はこうして、母とべラと四人でよくテーブルを囲んだなぁ。だからなんだか、家族旅行の気分。会話はスペイン語だけど。

かいがいしく、父が世話を焼く(八枚目)。そういえば、べラもこうして両親がつきっきりで世話をしたっけ。すっかりご機嫌だったベラ。この日も同じように、席を立ってハビ吉のカニや貝の殻を取ってあげる父。その姿を見ながら
「あぁ、私は二人に殻をむいてあげたことなんてなかったな」
と、改めて気づく。もちろん父にも(笑)。

「もものお父さんは、まぐろが好きなんだね」
細かいことによく気が付くハビ吉は、周りの様子をよく観察している。
「そう?」
「自分のパパなのに、見てないの!」
「・・・・・・」

あまりに観察眼が鋭く、周りのテーブルの人たちの様子まで、あれこれコメントしてくるハビ吉。ここは家族連れが多いだとか、僕たちの後に入った人は六人だけとか、料理の入れ替えが今されたとか。私は基本的に食事中は
「食べること」
しか考えていないので、周りで起こっていることにはまったく意識がいかない。

「日本の女性は、必ず鞄を二つ持つ」
という、不思議な結論を引き出したのもハビ吉である。大きい荷物を入れるのと、サイフやスマホを入れる小さいバッグ。このコンビネーションは、東京、大阪、京都、どこでもそうだった、と胸を張る。

「えっ、そう?」
「気が付かないの?もも、何を見てるの?」
「・・・・・」
それは、こちらが言いたい。

「フォーク、頼んであげようか?」
気をきかせて父が尋ねる。が、二人は迷うことなく
「大丈夫。箸で食べます」

そう言うだけあり、なかなか上手に箸を使いこなす。だが、父をもっとも驚かせたのは二人の
「しょうゆの量」
であった。お寿司も刺身も、しょうゆの小皿に
「ドボン」
と一度、完全に中につける。そして、すぐには引き上げない。

「あぁ、それはつけすぎ・・・辛いよ」
おののく父をもろともせず
「醤油をたくさんつけ食べるのが好きです!」
と、笑顔で言い切る二人。ま、幸せそうなので、そのままほかっておくことにした。あさってにはもうスペイン帰るのだし。

「ごちそうさまでした~!」
ゆずや抹茶のアイスまでいただき、お腹いっぱい。もちろん最後の最後まで食べ続け、時間制限いっぱいに席を立つ。
「八時まで。と言ったら、八時前に出ていく日本人はすごい」
妙なところで感動する二人。

「部屋へ戻ってひと休みした後は、今夜のメインイベントだからね」
「何それ?」
「ゲーム大会」
「えっ、また?吹き矢じゃないよね」

その時二人はまだ、知らなかったのだ。日本人なら誰もが知っている「ビンゴ」「七並べ」「ババ抜き」を、初体験することを。
(明日に続く)

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「17.地中海のような西浦温泉」への7件のフィードバック

  1. みなさん すっごく浴衣にあっています!そしてなんと素晴らしい眺め! ももさんのお父さんのきめ細やかさを写真を通じても感じられます。みんなすっごくいい!

  2. あぁあ、ありがとうございます。
    Sさんのお褒めの言葉、さっそく二人にも伝えますね。
    実は備え付けの浴衣を持ち帰ろうとしていたところ
    あわてて止めました(汗)いたく気に入った様子。

    ところでSさん、じとじと圏での新生活はいかがですか。

  3. 持って帰りたくなる気持ち、ちょっとわかります!
    八月はトンガにいっていました!ザトウクジラに逢いに。。。。!!!!!冬でしたが湿気具合は、ここに似ていてじとじと。。。今朝は北朝鮮のミサイルニュースに再び眉をしかめています。。。

  4. トンガ・・・世界を飛び回ってますね!
    若い時でないとできない旅行があるので
    ぜひいろいろチャレンジしてみてください。

    今週よりセビジャーナス教室が再開しました。
    今期は「ルンバ」や「カスタニュエラ(カスタネット)」もスタート。
    でもまだ衣装&靴なし。で、Tシャツ&運動靴で踊ってます。

  5. カスタニュエラ!!すごい!ちょっと触らせてもらっただけで、難しさを実感しました。 誰もここではSevillanasを踊れないので忘れてしまいそうです

  6. 一回目のレッスンでは、見事に何もできませんでした。
    「タタタタ・タン」なんて連続で鳴りませんよ。
    来年のフェリアが目標です。
    が、セビジャーナス躍るのよりかなり高度です。

  7. そしてカスタニュエラと舞を一緒になんて、口あんぐり開けて、先生の姿みちゃいました。。

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