私にとってアートは「心をふくらます力」「温める力」。だから、うちのピアノ教室には三歳の子供たちから七十歳のセニョーラまで
「ピアノを弾いて、音楽に触れて楽しもう!元気になろう!」
という人たちが通ってくる。上手になる、は五番目くらい(笑)。
これまでアートは敷居が高くて
「私などとても」
というお母さん方が、慣れない手つきでピアノを弾く。そして、楽譜も読めず、ソルフェージュも知らず、それでも
「ずっと弾きたかった曲」
を弾く。二、三か月で。
「信じられない」
と、喜びと呆然が混じった表情でつぶやく。その
「ついに夢をかなえた」
という深い歓びの表情を見るのが、私は好き。だから、二十年もの間、毎日レッスンを続けてこられたのだと思う。
「道を作り、一緒に歩く」
のが、私たち先生の仕事なのだ。だから、二人三脚。道を探しながら、手を取り合って歩く。夢に向かって。毎週、毎月。
だから気が付くと、教える立場から
「夢を分かち合う仲間」
に、変化している。ちょっとできるたび、もう大騒ぎ。一緒に手を取り合って喜ぶ(笑)。
少なくともうちのピアノ教室では、生徒さんとは結局みんな「友達」になってしまうので、レッスン後、一緒に食事することがとても多い。
今日、紹介するカルメンもその一人。彼女は私のピアノ教室の生徒だったのだが、今では大切な友達。この日は、彼女のお誕生日祝いで、一緒にレストランへ夕食に。
ピアニストとしての演奏活動をやめてから、私は「絵」を描き出した。ピアノが弾けなくなって、自分の強烈なエネルギーや感情をデスチャージできず、内側から打ちのめされてしまいそう時に
「情熱の受け皿」
となってくれたのが「絵」だった。
ふつうなら、買い物やおしゃべりや映画や仕事で、うまくデスチャージできるのにちがいない。私は
「アートを通して」
でしか、うまく外に出せないプログラムになっていて、ピアノを失った時に、突然「絵」が私の人生に現れた。
実は最近、私はいつもバッグに「紙やペン」を持ち歩いている。それは、いつでもどこでも友人たちと
「アートで遊ぶ!」
ため。
私にとってアートとは、人と人を結び、心を元気にしたり、なぐさめたりするもの。そして、一瞬の瞑想でもある。
「今、絵を描こうよ!」
と言うと、たいてい「ええっ」と最初は驚かれる。でも、いつのまにか表情が変わって、絵に集中している。その横顔は美しく、描き終えるとたいていすっきりとした、晴れやかな笑顔になっている。
そしてもう一つ。今年やろう!と決めて実践しているのが、お誕生日のテーブルに呼ばれるたび
「ランチョンマットやコースター画」
をライブペイントして、プレゼントしてするというもの。
お誕生日カード代わりに。ランチョンマットだから使い捨て。展覧会にはけして飾られない絵。でも、私にとって
「楽しい気持ちや時間を共有」
できることが、一番の幸せであり、アートのすばらしさでもあると思う。
友人たちの笑っている顔を見るのが好き。ピアノを弾きながら、絵を描きながら、ランチョンマットに目を丸くしながら。私たちは笑う。
「アートってすばらしいな」
と、思う瞬間。
ももさんのピアノ教室は、本当に私の理想です。
楽しいだろうな。緊張する教室だと、つらいですもんね。
生徒さんと仲良し、いいなあ。
おー、お寿司!! その前のお皿の料理は?
そうそう、これ!何だと思います?
「肉だんごかな」と思って食べてびっくり。
実はこれ「カレー」なのです!
丸く握られたご飯に、カレーがかかってました(笑)
この日の突き出しだそうです。