いよいよマラガのセントロでは毎年恒例の
「クリスマスイルミネーション」
が始まった。オーレ!
マラガっ子でこれを知らない人はなし。ラリオス通りでは数日前から取り付け工事が始まり
「今年はどんなデコレーションなんだろう」
と、みんな胸をときめかせて待っていた。はず。
と書きつつ、実は私はレッスン&週末も展示会の作業に追われ
「まだ見たことがない・・・」
と言うと、ハビ吉が飛び上がりそうな勢いで
「信じられないよ。僕はマドリッドから見に来たって言うのに」
「それが・・・忙しくってそれどころじゃ」
「今夜の八時にラリオス通りに集合!」
といきなり、招集命令がかかった。で、それまで必死で家で仕事をこなし、あわててバスに乗りセントロへ。
うわー。すごい人。それに明るい。さすがクリスマスイルミネーション。なんというかいきなり、うきうきしてきた(笑)。
しばらくおしゃべりしながら散歩をしていたが、九時半近くになると
「もも、ここに立って!」
と、ハビ吉が私の腕をつかんで、クリスマスイルミネーションのアーチの下にポジションを定めた。
「どうしたの?」
「いいから、見てて」
その瞬間。ものすごいボリュームで音楽が始まり、そのリズムに合わせてアーチの光がどんどんデザインを変え始めた。ついたり消えたり。ラインになったり、点々になったり。まさに光のショー。
「うわぁ、すごいー」
私たちはそれぞれ自分のアイフォーンでビデオを撮り、それから大喜びで光に彩られた通りの写真を撮って回った。
おもしろいのは、音楽に合わせてみんな踊っていること(笑)さすがマラガ!イルミネーションショーに参加。
思えば一年前に
「ハビ吉のお古のアイフォーン」
を、クリスマスプレゼントとしてもらってから、私の人生は大きく変わった。
「家に閉じこもって一人でいちゃいけない。もっとみんなとつながらなきゃ」
と、引っ張り出されたのは、まだたった一年前のことなのだ。
あまりに目まぐるしい毎日を送っているせいか、なんだかもう、ずっと前のような気がする。
毎月ケンカをしてばかりの私たち。
「今年もありがとう。沢山の時間を私と分かち合ってくれて」
ハビ吉の肩を抱きしめながら、とても大切な弟を私は持っているんだな、と思った。
「今年はこれが会えるの最後かな」
「次は来年かぁ」
「今年もいろいろなことがあったね」
「来年はケンカしないといいなぁ」
「ももがするんじゃん」
そうか。クリスマスは大切な人たちに会う日。同じものを眺めながら、一緒に笑って過ごす日。どんなにその人が自分にとって大切なのか、それを改めて思い感謝するためにある。
クリスマスイルミネーションの下、二十年の友情に感謝した。