先日、ピアノ教室の終わりにカーラちゃんが
「今日はこれからカップケーキを作るんだよ」
と、うれしそうに言った。
「へえ、そんなことができるの?」
と思わず正直に驚いてしまうと
「全部自分でやるの。今度作って持って来てあげる」
「おぉおー、それはありがとう」
それから一か月が過ぎ、すっかりカップケーキのことは忘れてた。というか、わざわざ私のために作って持って来てくれるなんて、夢にも思っていなったのだ。
そして突然、その日はやってきた。
「はい、これ。約束したカップケーキ!」
「うわぁあ~すごいっ」
写真をご覧ください。なんてかわいらしいデコレーション。食べるのが惜しくなってしまう。
「生地はオーブンで焼き、溶かしチョコレートでコーティング」
したのらしい。
「カーラ、ムーチャス・グラシアス!」
さっそく写真を撮って、お母さんにお礼のメッセージとともに送ると
「昨日の夜、十一時近くまでずっと作っていたのよー」
とのこと。「手伝ってあげようか」と聞いても
「自分でやる!」
と言って最後までやり通した。という。
なんだか涙が出そうになってしまった。私には子供がいないけれど、こんなプレゼントをしてもらえるんだなぁ。
「気持ちだよ。気持ちが一番大切なんだからね、ももちゃん」
と、いつもくり返し言っていた、母の言葉を思い出す。