冬のマラガは夕焼けが美しい。波のない穏やかな地中海は、鏡のように空の色を映し出す。
金色、ピンク、紫。これは私の作品にも時々登場する配色。
レッスンの合間にふと外を見ると、こんな写真のような夕焼けが広がっている。
思わずテラスに出て、立ち尽くしてしまう。自然の力、神秘、感謝などの念が理由もなく湧いてくる。
多分、長い人類の歴史の中で、人々が一番空を見つめたのは「夕暮れ時」ではなかったか。そんな想像が心をよぎる。
たとえ五分でも、仕事の合間にこんな光景を目にすることができるマラガの人たちは幸せだ。
「よし、がんばろう」と素直に思える。「明日を信じよう」と。
マラガに来てから毎日、私は空や海を見つめて暮らしている。どんな時も一緒だった。
悲しい時辛い時、私の涙を吸い取ってくれたのもまた、空や海だった。だからかな。
私のことをよく知る長い友人に肩を抱かれてるような気になるのは。
さ、レッスンを続けよう!