昨日の続き。新年のご挨拶と共に、我がきみどり家では恒例の「新年吹き矢大会」が行われる。とはいえ、参加者は父と私。だけ。なので父娘サシで勝負。ということになる。
この時ばかりは、真剣そのもの。いつも思うが、スポーツも絵もピアノも、大切なのは「呼吸」なのだ。
少なくとも、私は呼吸で描き、呼吸で弾く。手ではない。そういう意味で、吹き矢は集中と瞑想を兼ね備えた、すばらしいスポーツだと思う。
問題は、というか、私的には全然問題ないのだが、この吹き矢大会、うちで一番大きな奥の和室で行う。私が秘かに「奥の院」と呼んでいる場所だ。
ここはふだん「母とべラのお供えコーナー」「父の吹き矢練習場」になっており、さらに私が帰国すると「画材置き場」「荷作り会場」にもなる。
純和風のしっとりとしたたたずまいからは想像できないほど、アクティビティにあふれた「多目的スペース」なのである。
もちろん以前は、母がよく使っていた。暑い夏、この奥の院は涼しい風が吹き抜けるので
「お母さん、避暑地へ行こう」
などと言っては、ハーモニカを吹いていたことを思い出す。
さて、吹き矢大会。勝負は父の圧勝。であったが、私も慣れない割には好成績で気分よし。今年もいい年なりますように。
夜は夜で「パズルゲーム」に挑戦。これは南のリビングに会場を移して。ちなみにここは「奥の院」に対して、一番光が入るので「太陽の間」と私は呼んでいる。
夕食はおでん風鍋(六枚目)。やはり鍋は、一緒につつくのがいい。ワインを飲みながらおしゃべりしていると、時間がたつのも忘れてしまう。
いい正月だな。のんびり実家で、父の笑顔を見て過ごせるなんて。なんの心配もせず、床暖の上にひっくり返って。ひたすらごろごろ。
二年前、母が亡くなったのが十二月の年の暮だった。あの悲しみ、痛みがあるから、こんな平凡な正月が「宝物」に思える。
そして、囲む人がいるおでん鍋。どんな立派なおせちより輝いて見えた。お父さん、ありがとう。
(明日に続く)
家族ってほんとにいいですよね。
どんなご飯でも、一緒に食べるとおいしい!
May さんのおっしゃるとおり!
粗食でもごちそうなり。そう言えばスペインに
「あなたとならパンと玉ねぎ」
っていうことわざがあったなぁ(笑)