ロス・レジェス・マゴスの日

さて、「サンタクロース」のいないスペインでは
いったい誰が、贈り物を届けにくるのでしょう。
その答えを、今日は書くことにします。
なにしろ、「1月6日」は、はるばる東方から長い旅路の末
「その方々」が、ここスペインにも着く日ですからね!

さて、こどもたちが一年のあいだ、首を長~くして待っているのは
サンタクロースではなく
「ロス・レジェス・マゴス」です。
日本語では、「東方の三賢者」と言うのかな。
なんと、一人ではないのだ~!三人です。
そして乗ってくるのは、「トナカイのそり」ではなく、
なんと「らくだ」です! すごい~っ。

もともとは、イエスが生まれたとき、
東方から三人の賢者が贈り物をもって現れた、ことに始まります。
だから、クリスマスのイメージやイラストなんかも、
日本とは全然ちがいます。
わたしがよく見るイメージ画は
「3人の賢者がらくだに乗って砂漠を越えてくるシーン」。
なんか、アラビアンナイトみたい。

さて、このとき食べるのが、「ロスコ・デ・レジェス」という菓子パンです。
マラガ中のパン屋で売られ、飛ぶように売れていきます。
どんなものかというと、
直径30センチくらいのドーナツ型のパンに
フルーツの甘く煮たのが、ぼこぼこと入っていて
好みで生クリーム入り、なしを指定。
ま、これだけなら、よくある菓子パンなんだけど
これを「絶対食べたい!」気持ちにさせるのはやはり、
このパン生地のどこかに一つだけ入っている
「スエルテ(幸運)」の存在でしょう!

「さぁ、食べましょう!」
と、カットされ自分の前に出される一切れ。
緊迫した一瞬。
いったい、誰の中に「スエルテ」が入っているのか。

たいてい小指の先ほどのプラスチックの「人形」なんだけど
これが入っていると
「今年は幸運です、大吉!」
というわけで、みんな最初は気をつけて食べています。
そのうち誰かが
「あった~!」
って、もう大騒ぎ。もちろん、大人も全力で喜びます。
この催しがこども用ではない、というところが、スペイン。

そういえばスペインに渡ったばかりの頃、
この「習慣」を知らないわたしに「スエルテ」が当たり
「ぎゃあ~っ!」
と思わず叫んでしまいました。
口の中に、なに、この固いものは!
「うわぁっ。こんなものがっ、中にっ・・・・」
と、吐き出すわたしにみんな
「よかったねぇ」
って。
本気で、ふざけてるのかと思いました。

Facebook にシェア
[`google_buzz` not found]

「ロス・レジェス・マゴスの日」への4件のフィードバック

  1. 「ロスコ・デ・レジェス」って、どんなパン?と思って調べたら、レシピがでてきましたよ。さすが、インターネット。なんでもあり。

    http://www.disseny.jp/kimama/recipe/r-card/09143.html

    他にも「ロス・レジェス・マゴスの日」をキーワードに検索して、いくつかの記事に目を通しましたが、スペインのクリスマスは12月24日~1月6日までとありました。そうなの?

    日本の小学校~高校の冬休み期間とほぼ同じですね。年末年始にずっとクリスマスということが、ちょっと、感覚的に理解しがたい部分ではありますが、この「ロス・レジェス・マゴスの日」は楽しそうでいいなーと思いました。

    しかし、イベント好きの日本人、どこかのパン会社が取り入れようとしたことはないのだろうか?

  2. そうです、これですっ、すごい~!
    この写真の菓子パンですっ。わたしたちが食べてるのは。
    生クリーム入りの方がおいしいと思うなぁ。

    「果物の甘煮」と書きましたが「砂糖漬け」と、言うのですね。
    正しい日本語もわかりました。
    さすがインターネット、さすがクロ隊長。

    解説を読みながら思い出しましたが、中に入ってる人形は
    確かに「ソルプレサ(驚き)」とも言いますね。
    (ソプレサと書いてありましたがソルプレサのことでしょう)

    「クリスマスが2週間に渡る」というのは不思議かもしれませんが
    スペイン人にとっては
    「12月25日を過ぎたとたん、一気に和風(お正月デコレーション)
     になるニッポン」の方が、とても不思議です。

  3. 確かに、一晩でクリスマスからお正月に変わるのは不思議ですよね。日本人はせっかちだし、宗教も関係なく、とにかく、楽しむネタを探して盛り上がる。

    クリスマスに教会に行き、元日は神社、節分には恵方の神社やお寺にでかけていく。

    信仰など一切無視して何でもありになれるのは、八百万の神の国だからではないかと。一神教の国ではありえないことだろうなと心密かに思ってます。

  4. すばらしいっ!八百万の神。
    一神教でない、というのが調和の秘密ですね。

    「日本人には、不思議な調和感がある」
    と、べラが言ってました。
    詳しくは、1月19日から始まる新企画「べラの部屋」で、
    ふしぎな国ニッポンについて、お伝えしますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です