【日本滞在記】豪快自力リフォームは続く。純和風・築30余年の実家。障子をひっぺがし、格子模様を叩き切った後は、プラダンのカット&はめ込み。
まずはカーマへ。プラダン6枚を購入。聞けばなんと。自由に利用できる「工作室」があるそうな。
案内されてびっくり。すごい。テーブルから工具まで、ばっちり揃っている。私はスペインへ渡ってからというもの、何でも自力でやらねばならず
「日曜大工&創作作業が日常化」
している。ので、カッターマットやかね尺をほぼ毎日使う、不思議な生活を送っている。そして、空間や素材をぼーっと眺めながら
「頭の中で、切ったりくっつけたり組み合わせたりする」
癖がついている。それはそのまま、絵を描く時、コラージュをする時、もも衣を作る時にも発揮される。ひとことで言うと
「空間をデザイン」
するのが、好きなのだ。まずはプラダンを障子サイズにカット。これは問題なし。次はいよいよ、今回初めての体験
「アクリル板(塩ビ)のカット」
扱ったことのない素材というのは、道具もまた初体験。なので「どうなるかわからない」感いっぱい。
プラダンと違い値段もそれなり。なので、失敗はしたくない。思い切って5枚を購入。工作室へ運び込むと、係のお姉さんがぽつり。
「あの、カットされた経験はありますか?」「いいえ、初めてです」
一瞬、お姉さんの表情が曇る。カットするアクリル板のサイズは実に5種類。そのリストをのぞき込むお姉さんの顔が、驚きに固まった。
「えっ、ミリ単位?これはなかなか・・・」
聞けばアクリル板というのは、ちょっとしたコツがいるらしい。まるで見当もつかないが、私の人生には「前進」しかない。
父だって「自慢の書院造り」を叩き壊された後なのだ。何としても、アクリル板を入れてもらわねば、と思っているに違いない。
「コツを教えてもらえませんか?」
その口調と視線にゆるぎはない。お姉さんは無言で、これまで私が使った事もない工具を壁から取り出した。
(あさってくらいに続く)