値上げ、ゴム弾、メール解雇

去年、「スペイン史上最高値」となったガソリン、および重油の一件を紹介しましたが
いやいや、まだまだ、上がります。
この、とどまることを知らない値上がりで
先月、わたしたちが使っている重油はなんと
1リットルあたり、1,46ユーロにまで上がりました!
日本円にしたら、170円くらいなのかな。
税金も、16%から18%に上がったと思ったら、もう21%に引き上げられました。
ほんと、息をつくまも、ない。

そんな中、またもや国民を仰天させる事件が発覚しました。
現職大臣のアナ・マトが、公費で豪華な「誕生日パーティ」「家族旅行」などを
数年に渡って行っていたというもの。
日付、金額、何にいくら使ったかまで、詳細に発表されました。
「辞職せよ!」
の国民の声に、本人はしらっとした態度で
「辞職はしませんよ」
あまりのずうずうしさに、デモも行われました。

このデモだって、罰金がかけられるので(まったく不当に)
おちおちできなくなりました。
以前は、ピアノ教室の子供たち、そのご家族たちといっしょに
まったく平和的に、デモに行っていました。
それが今は、警官、軍隊による重装備軍が配置され
無防備な市民めがけてこん棒をふる。ゴム弾を至近距離から発砲する。
これでは、けが人が続出です。
先日はついに、ゴム弾(ゴムの弾丸ではなく、実弾の周りにゴムが巻いてある)
を至近距離から、顔をめがけて撃たれた女性が、失明しました。
彼女は手に棒一本もっておらず、平和的に歩いていただけです。

デモ、イコール危険分子、テロリストみたいな扱われ方に変わってきています。
「力で抑圧する暗い空気」は、3,4年前のスペインにはないものでした。
それだけに、これからの社会情勢が危ぶまれます。

わたしたちは2013年に入ってから
まだ一度も「外食」と「お買い物」は、していません。
買うのは「食品」と「日常必需品」だけ。

現在、わたしたちの食費は、厳格に週45ユーロ(6000円)まで。
出かけるのは無料の「野原」や「海」、「友人宅」。
ガソリンを使うので遠出もせず、自転車や市バスを利用。

毎年、演奏していたホテルの仕事は、完全カット。
それでもまだ、ピアノ教室や結婚式の仕事があるのだから
幸せ、というべきでしょう。

先日、800人近くの従業員が「いきなり解雇」された事件で
国民はまたしても、仰天させられました。
そのやり方が、まったく前代未聞。
文書でも、電話でもなく、「メールで連絡」。
「いったい、何だと思ってるんだ!」
デモをする従業員たちの、怒りの表情が心に残りました。

わたしたちはまだ、電話で前もって「仕事がない」ことを連絡され、
残念そうに謝ってもらえるだけいい、と言うべきなのでしょう。
政治家の汚職が「億単位」で発表されるたび
ブラックマネーのローダリングが明らかにされるたび
本当に、この国を建て直す気があるのか、と思います。
まぁ、ないんでしょうね。
なにしろ、7年働いて、スペインの政治家は年金受給者になれるのです。
一般市民は35年もかかるのに、ですよ!

 

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