32.音プラコンサートと賢田さん&須田さん

今日は、金山にある音楽プラザで、コンサートが催される。
ここでは毎月25日、こうして無料コンサートが行われているらしく
出演アーティストも、もちろんチャリティ出演。

この日の出し物は「シャンソン&ピアノ」「口笛&ピアノ」
そして、わたしたちの「バイオリン&ピアノ」であった。
45分のコンサートで、これだけバリエーションがあるのはすばらしい。
わたしたちは事前に「持ち時間は10分まで」と知らされていたので
短めの曲を3曲、選んでのぞんだ。

開場となるや、たくさんのお客様が会場に流れ込んできた。
「すごい~!」
なんと、たくさんの音楽ファンが、中部にはいらっしゃるのだろう。
これは、すばらしいことである。
そのとき、人ごみの中から、一人のメガネをかけた男性が近づいてきた。
「はじめまして。いつもブログ読ませていただいています」
さわやかな笑顔。50代であろうか。
「後藤さんと同じ会社に勤めています」
28話で登場した後藤KKのことである。

「あわわわ、はじめまして!お世話になりますっ」
あわてて頭を下げながら、わたしの頭は一瞬、まっ白になった。
「こんな、賢そうな人が読むブログだったっけ・・・?」
目の前にたたずむ賢田さん(勝手に命名)は実に温和で
その名のとおり(って、わたしが勝手につけたのだが)、実に賢そうだ。
どうして、このような方が、わたしのブログを・・・
驚きでふらふらしながら、コンサートが始まった。

舞台に現れたシャンソン歌手の女性たちは、息を呑むほど美しかった。
華麗なドレスに身を包み、髪の毛もセットされ、まるでお姫様のようである。
そして、トークも流暢。
わたしのように、弾くとき「動きやすいようにパンツ姿」
「髪の毛は自分でカットしてしばる」
「トークはないに等しい」
などというのとは、何か出発点からして、ちがっている。
べラなど、わたしの顔を見ながら
「もも~、クロさんにお化粧してもらえばよかったねぇ」
と、今さらどうにもならないことを言ってくれる。
「べラ、日本語の挨拶、だいじょうぶだよね?」
「はーい、はーい」
もうこれだけで、だめって感じ。

シャンソンの次は「口笛ライブ」。
わたしは生で聴くのは初めてだったのでかなり驚いた。
なんという透明感のある音だろう。
人間の体からこんな音が出るのかと、目を閉じて聴いていた。
心がす~っと、穏やかになっていくようだった。

さて、いよいよわたしたちの番。
いつもは、30~40分続けて弾くので
「3曲、10分」というのは、実にあっというまであった。
弾き始めるとのってきて、もっと弾きたくなるのがミュージシャン。
「はい、べラ。みなさんに挨拶して」
と言っても、バイオリンを抱えたまま呆然とした表情で
「えっ、もう、終わり?」

そういうわけで、そのあと行われた「食事会」のレストランで
べラがバイオリンを弾き出す♪ という話につながっていくのである(33話)。

さて、会場には、会社員時代お世話になった「須田さん」がかけつけてくださった。
いつも隣の席で、源泉徴収の書き方だの、ワープロの打ち方だの
さらに敬語の使い方まで、手とり足とり教えてくださった先輩である。
須田さんにしてみたら、どうしてわたしの隣の席などにされてしまったのだろうと
理不尽な思いにかられたことであろう。

わたしの教育のせいで、須田さんの仕事はどうしても遅れていく。
しかし、4年間に渡り、須田さんはついに一度も
「いーかげんにしろ~」「いつになったらわかるの」「もう教えたでしょ」
の、どの言葉も、言わなかった。
須田さんは「新人教育」の担当ではなかったが
少なくとも、わたしの「社員教育」は、須田さんがしたのだった。

その「声」と「教え方」が大好きだったわたしは
「須田さんの天職は、人にものを説明する仕事だと思います!」
と、退職時にお伝えした。
その後、「声優」になられ「ラジオで話し」「講師もしている」と
聞かされたときは、心からうれしくなった。
きっと、あの声と教え方で、今日も誰かを幸せにしているにちがいない!オ~レ!

この日、会場にはさらに後藤KK、マネージャーの大野さん、
豊橋からは、両親がかけつけてくれた。
「今日はちゃんと、しゃべれとったよ~!よかった~」
が、コンサート後の、母の第一声であった。
演奏の方はどうなったのだ。

そして、初めて見るわたしのかつての上司、先輩を前に
「お世話になります」
と、挨拶しながらも
「まぁ~、そんなにみんな仲がいいなら、いっしょに会社やったら♪ ねえっ!」
とのたまい、みなさんを仰天させていた。

(「ニッポン驚嘆記・33」につづく)

あっというまだったけど、こんなにたくさんの方々といっしょに
音楽を楽しめて、とてもいい経験だったなぁと満足。

Facebook にシェア
[`google_buzz` not found]

「32.音プラコンサートと賢田さん&須田さん」への2件のフィードバック

  1. そうそう。ももちゃんにメイク、したかった、したかった。でも、この日は仕事だったから出来なかったんだな。残念。次の機会にはよろしくです。

  2. クロ隊長、これからもお化粧のレクチャーよろしくお願いいたします。
    明日、仕事の面接に行くので
    クロ隊長の「教え」を思い出し、メイクいたします。

    今、横でべラが
    「日本のテレビでゲイ(おかま?)を見て、すごくきれいだった!」
    ことを思い出して
    「ももも、ああいうふうにやれば?」
    って、どういうふうなんだ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です