20年間つとめたポジション

今朝一番に、20年に渡る「ピアノ教室終了」のお知らせをした。そして。その反応が人さまざまなことに、本当に驚かされた。

心の中では覚悟し、すでに決めていた事でも、改めて口にすると心が揺れる。決心が鈍ることはないが、押し寄せる現実感にしばし何も手につかなかった。

「何かできることがあったら言ってほしい」

「あなたのすばらしい将来、これからのプランを聞かせてほしい」

「きっと、もっとやりたい人生があるのよね」

「まだ信じられない。でも、もう決めた事なんですよね」

「とても残念です」

「ええっ、どうしよう」

「もも、あなたは大丈夫?」

ピアニストをやめる。と、決めた時でさえ、こんなに心が痛むことはなかった。一つ一つのメッセージに答えながら

「最後にみんなで『秋の発表会』をやりましょう!」

と、しめくくった。全ての連絡が終わったのが午後2時過ぎ。何もする気が起きず、ふらふらとピアノ室へ。

月曜日から金曜日まで、毎日この部屋でピアノに向かっていた。イスには生徒さんが座るので、私の定位置はその右側。

「20年間つとめたポジション」

を見下ろしながら、晴れやかな満足感が押し寄せてきた。サポートするすばらしさ。それこそが、このポジションなのだ。すぐそばにいて。いつでも傍で見守って。

私は久し振りに、センターに身を置いた。つまり、ピアノの正面に置かれたイスに。そして夢中になって弾いているうち、大好きな編曲にのめり込んでいった。

「新しいポジションに自分を置く」

と、見える景色が一変する。アートで幸せになりたい。アートで周りの人を幸せにしたい。

この秋はぜひ、ももアート&ももピアノの両方で、笑顔を分かち合いたい。

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