美濃加茂ラジオ「FMらら」で、生演奏♪も無事終わり、
大野さんとわたしたちは一路、関市にあるライブハウス
「ロックンロールカフェ」へと向かう。
すっかり日が暮れ、景色はすっかりわからなくなっていたが
非常に暗い山道になっていくのだけは、わかる。
さっきからべラなど、窓にへばりついたまま
「ほんとうにこの先に、ライブハウスがあるの?」
と、町からぐんぐん遠ざかる様子に不安を隠せない。
「着きましたよ~」
大野さんの指示で車から降りる。
が、それでもまだ、どこにライブハウスがあるのかわからないほど辺りは暗く
どう見ても静かな住宅街だった。
「ほんとに・・・ここ?」
外国ではこうして知らないところに連れて行かれ
身ぐるみはがされるのが常識なので
わたしたちはしばらく、暗闇の中で立ち尽くしていた。
だから、大野さんについて奥まった扉をくぐった時の驚きといったら!
「うわぁあ~っ」
そこには、まるで別世界が広がっていたのだった。
こじんまりとはしているが、ところせましと、これでもかと
ぴかぴかに光るギターが壁に並んでいる。
さらに壁のどこを見ても、すきまなく音楽グッズが並び、
まるで、「音楽大好き人間集まる大聖堂」のようだった。
「すごい・・・」
今までいろんなところで弾いてきたが、こんなお店は初めて。
「音楽が好きで、退職したらお店を持とう!と決めてました」
オーナーである福田さんは輝く瞳で、きっぱりとおっしゃられた。
「えっ、退職って・・・」
どう見ても50代にしか見えないので、よろめきそうになっていると
もっと驚くことが告げられた。
福田さんは今でこそライブハウスのオーナーであるが
「もと校長先生、その前は美術の先生」
という驚くべき経歴の持ち主なのであった。
「勤めているときから、お店に飾る物を集めたり、お店に飾る絵を描いたりしてました」
「いつかやろうじゃなく、今もう、夢に取りかかること」
「今日からできることをして、夢が目に見えるようにすることが実現への道」
そう目を輝かせて語る福田さんの前で
いつのまにか、わたしは「生徒」に戻っていた。
「夢を実現させることの楽しさと、道の歩き方」を
これまできっと福田さんは、こうして子供たちに語り続けてきたにちがいない。
ピアノ教室で毎週、こどもたちと接しているのでわかるが、子どもたちは
「夢を持って生きている大人」
「人生を楽しんでいる大人」
を明確に見分ける。
それは理屈じゃなく、言葉じゃなく、エネルギーの波動のようなもので。
「こんばんは~」
「よろしくお願いします~」
開演時間が近づくと、お客さんが次々とお店に現れ始めた。
今日は、月曜日の夜。それも雨、というのに
何人もの方が、何十分もかけて、わざわざかけつけてくださった。
なにもかもが温かく、わたしたちはすっかりリラックスしてしまい
まるで「お友達の家に遊びに来た」気持ちになっていた。
思いがけず「トーク」がはずんだのは、そのせいだ。
べラもあきれて
「もも、しゃべってないで、もう弾くよ~!」
世界の名曲から、いろいろなジャンルのものを選んで演奏。
ジプシー音楽、スタンダード、ボサノバ、名画のテーマから
日本の名曲、わたしのオリジナル曲まで。
詳しくは、ブログ「日本ライブ映像」企画で、ご覧いただけます。
いかに、お客さんの対応がすばらしかったか!
ばっちり録画されていますのでぜひ、ご覧になってください。
ビデオには映っていませんが
休憩時間に、べラがステージ上の椅子を壊したそうで、申し訳ありませんでした。
助けていただいたみなさん、ありがとうございました。
実はこれで椅子を壊すのは3回目。座る前から本人
「だいじょうぶかなぁ・・・」
とは言っていたのですが。
あとで、「だいじょうぶ?」って聞いたら、自信満々でうなづきながら
「これは、ショーの一部です!って、言っておいた」
って、ほんと?
ステージへ助けに行ったとき、ベラさんにガシッと左手を掴まれて
「バイオリン!」といわれ、
急いで右手でバイオリンのネックを掴んだらそのなんと軽いこと。
でも、ベラさんがお母さんからもらったバイオリンだったんだよね。
http://www.momoquimidori.net/?p=104
本編「ベラに歴史あり」
実はこの「救助作戦」の現場をわたしは見ておらず
ベラに「ほんと?」と尋ねたら
「そのとおり。僕よりバイオリンが大事だったから、
必死でバイオリン!って、叫んだんだよ。
大野さんが、バイオリンをつかんだのが見えた!」
やや~、ライブの裏にこんな救出劇があったとは。
大野さん、ありがとうございました。
「みなさん、休憩中まで
僕とステージを見ていてくださって、ありがとう。
だから、助けてもらえたんだなぁ。あ~よかった」
ベラ