写真だけで存在する作品

どれだけでも眠れる。午前、午後、夕方。食べ終わるたびに眠ってしまう。いったいどうなってしまったのか。朝から微熱も始まった。

「坐骨神経痛もしくは疲労」

ということにして、休養を決めた。本当に迷ったが、楽しみにしていたお食事会2つをキャンセル(涙)。

「まずは一回、完全に立ち止まらねば」

最後の休日がいつだったのか。も思い出せないくらい、毎日何かをやっていた。それも取り憑かれたように。

「きっと体が、いい加減にしろ!って怒ってるにちがいない」

よろよろと立ち上がり、家の掃除をしていると「玄関のテーブル」に目が止まった。これは

「緑の絵の具で板をペイントした後、表面を引っかくことで絵にした作品」

なのだが、これが、とても邪魔な場所にある。そしてもうかなりボロボロで、十分に役割を全うしてくれた。

「今まで、ありがとう!」

即断。うちの前のゴミ捨て場へ持っていく。その足で海岸通りを散歩。深呼吸と日光浴。アイスを食べての帰り道。

「あれ・・・ない」

あれまぁ。誰かが私の作品を持って行ったらしい。何に使われるのかわからないけど。うちがもう少し広ければ、作品置き場も作れるが

「過去より現在」

今日の創作のために、全てのスペースを使いたい。ので、こういう事になった。

「現物はもうないから、写真だけで存在する作品なんだけど〜」

と、友人たちに写真を送ると

「うそ。捨てたの?」「サイン入りの作品を・・・」「引っ越し祝いにほしかった」

と、かなりぶつぶつ言われた。

「微熱で判断がおかしくなっているんだから、大人しくしているように」

気を取り直しピアノを弾く。足と背中が痛いので、今日はここまで。身体が痛いと、何をやるにも大変だなぁ。

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