うちの近所で「木々の手入れ」が行われ、青々とした枝が山積みになっていた。
「あの、ひと枝もらってもいいですか」「えっ、いいけど何のために?」
おじさんは真顔で聞いてきた。そうでしょうとも。勢いよく「よいせっ」と枝を右肩に乗せ、私は笑顔で答えた。
「オウムのためのクリスマスツリー」
それを聞くと、おじさんは納得するどころか眉間のシワをさらに深くした。
「クリスマスの贈り物にするの!」
立ち尽くすおじさんを後に、説明もせず立ち去る。枝をゆらゆらさせながら、気分はもうクリスマスのサンタさん。そして。家に駆け込むや
「ほらっ、クリスマスツリーだよ!!!」
大興奮の私を、冷ややかに見つめるオウム。これがワンちゃんなら、ちぎれんばかりにしっぽを振って、一緒に大喜びしてくれるにちがいない。
「ぷぷーふいっ???(何これ)」
対応が落ち着いている。ので、一瞬ひるむが、まずはツリーを「オウムの城」である三段引き出しに装着。
「どうっ?いいよねー」
ビジュアル的にはばっちり。なのだが、どうにも食いつきが弱い。あんまり興味がないのかなーと、枝にちょろりと触れたとたん
「ぐわぁあ〜〜〜〜っ」
私の指に突進。テリトリーを死守すべく、威嚇しながら噛みつこうとする。何なん?気に入ったんかい。というわけで、IKEAの三段引き出しは今
「オウムの城・クリスマスバージョン」
になっている。白い丸イスは、彼の専用バルコニー。ツリーの下にたたずんでいてくれるので、その間にコラージュ制作もできて大助かり。
でも。枯れたら、どうなるんだろう。