うちの窓の上に「ツバメが巣を作らないよう」板をはめ込む。とマンションのコミュニティで決まった。下見、計測と進み、いよいよ今日は
「発注した板を取り付ける工事の日」
コミュニティ代表者、ビルの管理人、工務店のお兄さんが揃って、うちのドアを叩いた。
結果から言うと、工事はなんなく進み、小一時間ほどで完了。若干時間がかかったのは「かまぼこ型の板」を、ぴったりスペースに合わせるため
「円の外側を丸くカーブしながらノコギリで切る」
という、最終調整があったため。そして。この作業こそが、その後サプライズを生むのだが、その時はもちろん知るはずもなく。
「絵を描いてるんですか」
工務店のお兄さんは、アトリエを眺めながらうれしそうに言った。たいてい私は、工事系のお兄さんとすぐ仲良くなる。
手伝ったり、質問したりしているうちに、いろんなことを教えてくれるので、いつのまにか友達になってしまうのだ。この日の廃材
「80センチほどの極細の三日月型の板」
を手にしたお兄さんは、ふと表情を変え、私の方にまっすぐ振り返ると
「これ使いますか?」「えっ」
「いや、アーティストの人だから、こういうの好きかなって思って」
作る人だから、わかる。通じ合う何か(笑)さっきまで知らぬ者同士だった私たちが、笑顔で結ばれる。
「ありがとう!おもしろい月ができそう」「よかった〜」
人生はサプライズに満ちている。ゴミになるはずだった物がアートに!
「運命は、一瞬で変わる」
その瞬間を、作り出してくれたお兄さんに感謝したい。
【写真】マラガのセントロのクリスマスイルミネーション。やっと見てきました!コラージュ作品も続く!あと1週間、どこまでできるか。アートで行く年来る年を迎えたい。