【一日一作プロジェクト】サンダルで「熱帯夜花(ねったいよばな)」を作った。春に発足したマンションの「踊り場井戸端会議」は今も続いている。本日は
「絶対に泥棒に破られない玄関のドア」
の話題で大盛り上がり。「鍵が内側から3箇所かけられる」「銃弾も通さない」すごいドアなのらしい。
その説明を、私はひたすら静聴していた。なにしろかなりの価格。うちには絶対無理だと思いながら
「そんなドアにできたらいいなぁ」
やっとのことで会話に参加すると、お隣さんの一人が大きく手を振りながら
「もものところは、今のドアでいいって」
自信たっぷり。なぜかしら。と、小首をかしげていると
「ももの家のこのドア見たら、泥棒だって『この家には何も金目のものはない』って思うって」
すごいな。そうだけど。心理的セキュリティシステムかい。20年来のおつきあいのあるお隣さんなので、うちの中に何十回も入ったことがある。
「画材や素材を除いたら、何も残らない」「泥棒も持っていくものがない」「ヒッピーっぽい」
家。なのだと、言い切る。確かに、うちで一番高価なものは
「ピアノ」
重くて運び出せない。次に高価なものは
「オウム」
大騒ぎして、無理だろう。その次は・・・と考えを巡らせていると、お隣さんが声を上げる。
「ももの作品が、たとえ高価だったとしても」「しても?」
「どれが高価なのだか、素人にはさっぱりわからない。から、やっぱり持っていきようがない」
「どれが高価か選んでいるうちに、目移りして警察の御用に」「モナリザとかなら、ねぇ。わかりやすいけど」
ものすごい結論に達していた。が、あまりにその通りなので、急に興味を引かれ
「自分が泥棒なら何を持っていくだろう」
と、改めて家の中をじっくり見回してみた。紙、キャンバス地、絵の具、筆、布、ひも、文房具、衣類・・・改めて見ると、全て消耗品なのだ。結局
「古い格安パソコンとアイフォーン」
くらい。その話を絵の仲間のクリスティーナにすると
「ロカ(クレイジー)、その家で一番価値あるものは、もも自身だよ!」
よかった。盗まれにくいもので(笑)。「だいたい運びにくそうな作品が多いし。泥棒も大変だよ」クリスティーナは大笑いしながら
「たとえ全て盗まれたって、命さえあれば!作品はどれだけでも作れる」
体一つで生きていく。全ては自分の中に。なんという清々しさだろう。どんどんシンプルになっていく。
「命と健康。そして時間」
それが宝物。こんなコロナパンデミックの中だからこそ、手にしているものを大切に。一日一作。命を刻んでいこう。
「熱帯夜花(ねったいよばな)」
日本は猛暑が続きますね。どうぞみなさま、お身体を大切に。熱中症に気をつけてお過ごしください。
あ、魚の写真はレストランのショーケース。ここから選んで、料理してもらうことができます。贅沢だな〜。