父の日& 夢花道

【一日一作プロジェクト】「夢花道(ゆめはなみち)」を作った。6/13は父の日。はるか40年以上前、小学生の私に父は「とんでもない規則」を課した。それは

「1週間にテレビは3時間まで!」

という非情なルール。当時小学生の私には、見たい番組が山ほどあった。アニメに歌番組、ドラマに映画。30分番組なら6本。1時間ものなら3本。頭をひねって

「どうしても見たいものから順番に、3時間の枠を決めて」

いった。学校に行くと「昨夜のテレビ番組」の話でみんなが盛り上がっている。ほとんど未知の世界。に、そっと耳を傾けながら

「いつか大きくなったらテレビを思う存分見てやる」

と思っていた。兄弟による「チャンネル争い」も話もよく聞いた。「マンガが見たかったのにプロレスに変えられた」的な。鼻息を荒くしながら友達が言う。

「ももはひとりっ子だからいいよね。心置きなく好きな番組が見られるじゃん」

環境的にはそうでも、うちには「魔の週3時間ルール」があるのだ。父が勝手に決めたその規則は、信じられないことに

「中学生になっても続行」

された。もうここまで来ると洗脳は進み、テレビは「週3時間だけ見るもの」として、疑いさえ持たない。予定の時間になるとテレビの前へ座り

「厳選に厳選を重ねて選び取った番組」

を見て、すぐに部屋へ戻る。せめてもの救いは

「ニュースやドキュメンタリー番組は見放題」

という特例があったので(←父指定)、やたら「自然」「動物」「旅」「世界の国々」「文化」「生き方」などに詳しくなっていった(笑)。社会人になり一人暮らしを始め

「テレビは見放題」

となったが、今度は仕事が忙し過ぎて(残業の嵐)テレビどころではない。その後、スペインへ渡り、やはり「テレビは見放題」だったが

「スペイン語なので、ほとんどわからない」

やっとスペイン語でもテレビが楽しめるようになった頃には「音楽屋」としての仕事が軌道に乗り、夕方から出かけるので見る暇がない。そして5年前

「音楽屋をやめ、やっと家にいる時間が」

できたところで、人生の大リセット。「アーティストとして生きる」「アートを人生の中心に置く」と決め

「テレビを捨ててしまった」

笑。人生53年間で、テレビを見た時間はどれくらいなんだろう。小さい頃は父を恨んだけれど、泣いても怒っても、一貫して態度を変えなかった父に、今は感謝している。

「テレビの代わりに、本はどれだけでも!」

という徹底した教育方針は、いったいどこから?(笑)。今はテレビがなくとも、パソコンやスマホで何でも見られる。時代も変わった。

「夢花道(ゆめはなみち)」

思い出は、花のように人生を彩る。いいことも悪いことも。時を重ねて「いいこと」に変わることも。振り返れば、人生は花道。だから、歩き続けよう。

お父さん、どんな決断の時も私を信じて、応援してくれてありがとう。お父さんの娘になれて、本当によかったよ。どうぞ身体を大切にして、長生きください。父の日、ありがとう!

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