【一日一作プロジェクト】キレハシで「己樹(おのれじゅ)ぴかり」を作った。実は、お隣さん達との井戸端会議で「音問題」が話題になった。
「昨夜の10時頃、すごいケンカだったね」「今朝の7時頃、床に響く物音で目が覚めた」「3階の人、いつも家具を動かしてる」「4階の人、毎回ドアをバタン!って全力で閉めるよね」
次々と出てくる「音問題」。私はひたすら「ふーん」「へぇ」「ほぉお」と、みなさんの話を静聴していた。と言うのも
「そのどれ1つとして、私は聞いていない」
のだ(汗)。同じフロアに住んでいながら。家で仕事をしているので、それらの「騒音」を聞く確率は非常に高い。にもかかわらず
「1つも聞こえない」
となると、逆に心配になってくる。全く話に参加しない私を不思議に思ったお隣さんが、怪訝そうな顔で尋ねてくる。
「ももは、うるさくないの?」
一瞬迷ったけれど、正直に伝えることにした。
「それが、1つも聞こえなくて。その日、その時間、うちにいたはずなんだけど」「ええっ!聞こえてないの?」「あんなにすごい騒音だったのに!」「ドアのバタンは毎日だよ」
お隣さん達は、驚きの表情で私を見つめている。
「静かなマンションだと思ってた。物音もなく。けど、そんなにいろいろあったんだね〜」
その言葉に、お隣さん達は呆れたように顔を見合わせ
「ももは世間からかけ離れた空間に住んでいる」
と断言した。そこで、はたと思い出す。うちの母がいつも
「ももちゃんは、呼んでも全く聞こえないんだね」
と言っていたことを。すぐ隣で名前を呼ばれても、何かに集中していると、まるで耳に入らないらしい。大人になり、スペインから帰省した時も
「今でもそうなんだね。呼んだの聞こえてなかったでしょ?」
母が、すぐ隣で笑う。その時、テレビの風景に心を奪われていたのを覚えている。どうやら全てのカギは「集中」にあるようで、良くも悪くも
「集中力が凄まじく、何も聞こえなく」
なってしまう。らしい(←自分では気づけないのが問題)。まあ、日常生活上いろいろ問題はあるだろうけれど「一瞬でド集中」が、私に搭載されたモードなのだ。
「直すより、伸ばせ!」「100の短所を上回る、1つの長所で生き抜け」
「伸ばせば欠点は武器になる」「人生は1点突破で切り開け!」
私の好きなことわざ(←全て勝手に作った)笑。短所をかえりみて落ち込むより、騒音の中でも「静寂を楽しめる」集中力に感謝しよう。
「己樹ぴかり(おのれじゅぴかり)」
私たちの内に育つ「己樹(おのれじゅ)」。私たちは誰もが、この世でたった1つの珍種。樹から鳥に、花に、虫に、炎に姿を変えながら、進化し続ける己樹。
廃材から生まれた復活アート。「天照ぴかり」「闇喰いぴかり」と合わせて3部作。「ゴミからの生還」。そこにたまらない魅力を感じる。