【一日一作プロジェクト】「もも作品ムービー・9」を作った。「日本上陸記・9」。いよいよ眼下にニッポンが!日本上陸は果たしても
「入国できるかはわからない」
すごいな(汗)。言ってみれば、ここまではプロローグに過ぎない(←長すぎや)。午後6時半に羽田到着。それから審査や移動に7時間かかるってことは・・・
「強制収容施設の自分の部屋にたどり着けるのは・・・夜中の1時過ぎ?」
うそ。丸2日間ずっとマスク(涙)。君のゆく道は、はてしーなく遠い〜(←心の中で歌う)。パリの空港では鼻歌も唄えたが、さすがにこの緊迫した警戒体制あふれる羽田空港で
「鼻歌はまずい」
と判断。飛行機を降りると、いくつもの検問所を通って書類のチェック。面倒くさいけれど、ある意味「流れ作業」なので、すいすい進む。
「私は、流しそうめんになったのだ」
と思えば、決められたルートに従い、何も考えず進むだけ。なにしろ「そうめん」なので、意志を持つ必要はない。ひたすら指示に従い、入国5点セット
「陰性証明、誓約書、健康カード、質問票、QRコード」
を順次、提示していく。「唾液検査」も5分でクリアー。自分の唾液を容器に入れ提出するだけ。なのだけど、けっこうな量がいるので注意。壁に貼られたレモンや梅干しを見てがんばろう。
この唾液検査。やり直しさせられている人をけっこう見た。量が足りないとかなんとか。さらに。政府指定の3つのアプリが、ダウンロードされているか確認。これで終わりかと思ったら
「もう1つアプリをダウンロードして、操作して頂きます」
ええっ、今?私にできるの?と思ったら、そこは日本。マンツーマンで担当者がつき、すべて設定・スタンバイまでしてくれる。スマホも現地時間に再設定され
「はい、完了です。どうぞ次にお進みください」
何もわからない『そうめん』は、ひたすらルートに沿って進む。さすがに各検問所でそれなりの列はできるが、担当者が10人とか20人とか大世帯で待ち構えていてくれるので、ほぼ気にならない。
「なんか、けっこういいリズムで来てるなぁ」
かなり順調。8割終わって、ここまで2時間半。それぞれ検問所が離れているので、かなり歩く。500メートルとかはふつう。そして、誰もいない。これなら鼻歌を唄っても大丈夫そう。
「きみのーゆく道は〜、はてしーなく遠い〜」
まさか空港で、この曲を歌うことになるとは。「なのにー、なぜ〜」でハモりたくなるよね(←昭和世代)。途中トイレに寄り、ミネラルウォーターでそっと喉を潤す。先輩から聞いた話では
「7時間に渡り水もトイレもだめ」
だったので、飛行機の中で水分補給とトイレはすませておいた。覚悟してのぞんだけれど、この日はトイレも水もOK。どうも日により差があるもよう。
「PCR検査の結果が出るまでお待ち下さい」
やっと最終段階。頼むぞ〜。ここで明暗が分けられる。陰性が出れば「部屋と夕食」が待っている。陽性なら・・・うわー考えたくもない。
「えっ、あれは?自販機?」
会場の隅になんと「自動販売機」があるではないか(写真)。うそ。こんな所にオアシス?恐る恐るお姉さんに聞いてみる。
「あ、あの、あれは、使ってもいいんですか?」「もちろんです。どうぞ」
やったーーーー。冷たい日本茶で1人乾杯。疲れも吹っ飛ぶ。1人の若者が、有り金すべてをつぎ込む勢いで、カロリーメイトやビスケットを大量購入していた。
「そっか。これから3日間の強制収容生活。そのための食べ物を調達しているんだ」
お弁当は3食出るらしい。が、もちろんお菓子やサイドメニューはない。冷たい麦茶を飲みながら待つこと45分。いよいよ検査結果の発表が。
「次の番号の方はこちらへ!」
合格発表やん。自分の番号が呼ばれれば、荷物を受け取り入国審査を経て、強制収容場行きのバスに乗れる。はたして。そうめんの運命はいかに。(明日に続く)。
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