希芽道

【一日一作プロジェクト】ペイントして「希芽道(きめみち)」を作った。はるか20年以上前。私がまだ会社員だった頃、あるイベントの運営に携わらせていただき

「ジャズコンサートを行う」

ことになった。当日、主役のピアニスト&トリオのミュージシャンの方々が到着。会場にはピカピカのグランドピアノが置かれていて・・・

「あっち側にいたい」

と思った。運営する側じゃなくて、演奏する側に。その光に包まれた場所を、スーツ姿で眺めていた。まさかその数年後、スペインで「音楽屋」として生きることになるとは。私自身、想像もしていなかった。

そして、音楽屋になり10年近くが経った頃。あるロシア人画家の展示会で演奏することになった。壁という壁に、ダイナミックで色鮮やかな作品が飾られ、めまいがするような幸福感に包まれた。

「あっち側にいたい」

見ている側でなく、創っている側に。その10年後、私はアートの道に立っていた。人生は不思議だな。選択肢はそうして突然、目の前に現れる。まだ何の準備もできていない時に。思いがけない形で。

「飛び込むか、飛び込まないか」

その2択。そう書くと大変そうだけど、選べるってすばらしいことだよね(笑)。私はいつも、飛び込む方を選んだ。

「そこに立つ自分が、今より幸せに見えたから」

持っていた物を手離した。新しい世界に飛び込むために。捨てたわけじゃない。あんまり夢中で、振り返ったら、これまでいた世界がもう戻れないくらい遠くなっていただけだ。

「希芽道(きめみち)」

たとえ「羽」を失っても「希望の芽」が羽となる。信じて飛ぶから「道」が生まれる。今年の5月末から「セルフタイマー撮影」を手さぐりで始め、はや5ヶ月。

「アートで遊ぼ!」「アートは遊び友達」「アートで心を動かそう」

そんなメッセージを伝えたくて、カメラの前に立っている。「アートが人を元気にする」なら、まず私がその人体実験をしないと(笑)。一日一作プロジェクト&アート人体実験は続く!

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