【一日一作プロジェクト】母への捧げものアート「心音(こころね)ピアノ」を作った。うちの壁には、母が作ってくれた「千羽鶴」が吊るしてある。それも3体あり
「千羽×3体で3000羽」
鶴の大群(笑)。色とりどり。1つ1つ母が心を込めて折ってくれたのだと思うと「ええい、がんばらねば」と力が湧いてくる。この夏、日本帰国する前には毎日、抱きしめて祈った。
「お母さん、頼むよ。私を守ってね」
時には「運」や「守りの手」がいる時もある。私の気合いや情熱だけでは何ともならない時が。我が家の最強パワースポット。「音楽屋になる夢」を見守ってくれた千羽鶴は、6年前から
「アーティストとして生きる私」
を黙って見守っている。最初は色鮮やだった鶴たちは、15年以上の月日を重ね、どこかぼんやりとした色合いになりつつある。色あせていく千羽鶴を見ていると
「私の涙や悲しみを吸い取ってくれてるのかな」
と思えてくる。母の命日を迎え、ピアノをペイント。2歳半でオルガンを、3歳でピアノを与えてくれた、ひたすらピアノの練習を強いてくれた母に
「心音ピアノ(こころねピアノ)」
を贈りたい。捧げものアート。20代でスペイン渡り、ほとんど親孝行もしてあげられなかった。お母さん、そばにいてあげられなくてごめんね。その悲しみが、私を「無敵」にした。
「両親の悲しみの上に、私の夢は成り立っている」
その事実が、私を勇敢にした。全力で生きよう。命を120%注ごう。いつも笑っていよう。それが、私にできる親孝行。両親は自らの生き方を通して
「悲しみを原動力に変える」
ことを私に教えてくれた。母とベラが他界した後、アートで生きると決めたので、2人はアーティストになった私を知らない。それでもきっと天国から
「時間も忘れて絵を描いていた小学生の頃と、全く変わらんねぇ。同じ顔をして描いてる〜」
と、笑っているんじゃないかな。両手を合わせる代わりに、千羽鶴をハグし、絵を描いた。私は安心して我が道を行く。
「大切なのは気持ちだよ!心だよ!ももちゃん」
そうくり返していた母。お母さん、突拍子ロードを全力で突き進むよ。見守っていてね。