【一日一作プロジェクト】アルファベットシリーズ「P(ぺー)」を作った。ランチの後は、国立公園内をドライブ。午後4時半を過ぎると、どんどん陽が傾き始める。
「急いで回ろう!」「せめて見晴らし台まで」
街の中にいると気づかないけれど、こうした山岳地帯にいると、数分単位で山の斜面が暗くなっていくのがわかる。
「光が、影に覆われていく」
刻々と。なんというコントラスト。山の頂上には光が当たり、谷底や山の裏側には深い影が落ちる。「光と影」に二分される景色。
「最後まで光を受けられるのは山頂なんだ」
気づかなかった。南スペインのマラガにいると、夕陽は地中海と空を染める。まんべんなく。柔らかいサーモンゴールドの光で。まるで別世界。
「よし!これからボルターニャ村だ」「陽が落ちるまでに着けるかな」
約1時間のドライブ。なんとか午後6時。ボルターニャ村の広場に駆け込む。かろうじてまだ人の気配が。光があるのはあと30分なので、ものすごい勢いで走り回る。
「何を撮っても、どこを撮っても人がいない」
物音ひとつしない通り。石造りの家々は美しいけれど、この無人状態はかなりサスペンス(笑)。ここはスペインだし、ハビ吉もいるから安心してほっつき歩いているけれど、外国からいきなり1人で訪れたら
「スペインの村は怖いかも」
笑。レストランやバルやお店は閉まっているし。誰も散歩していないし。シーズンオフの閑散とした雰囲気が好きならいいけれど。せめてもの救いは
「工事のお兄さん達が数人」
いてくれたこと(笑)。人間がいるって、ものすごい安心感。それも威勢のいいお兄ちゃんたち。ありがとう〜。
「遅くなる前にパラドールへ戻ろう」
ここからまだ1時間半。ホテルに着いたら夜の8時。フロントのお姉さんが
「グラスワインのサービスがありますので、ぜひどうぞ」
おぉお〜。暖炉に当たりつつ赤ワインで乾杯。「火が小さい」と文句を言いながら、ハビ吉が薪をくべ出した。係なんかい(汗)。ほっとしたら眠くなってきた。部屋に戻り、持ち込んだ食料で夕食。
「あぁあ〜、疲れたー。もう夕食いらない」
ベッドにひっくり返る私に「生ハムやフルーツ」を見せびらかすハビ吉(写真)。うれしそうやな。
「明日は忙しい1日になるよ!さらに標高の高い所へ行くから」「アインサ村も入れてね」
スケジュールを組むハビ吉の横で、すぐさま寝落ち。私は活動するのと同じくらい、寝るのも好きなのだ。「食べるか寝るか」なら、完全に「寝る」が勝るタイプ。
「明日は、スペインで2番目に高い山に行くんだよ」
そんなハビ吉の声が、夢の中で聞こえたような気がした。(あさってに続く)