日本上陸記&ヒケイカクソウ

【一日一作プロジェクト】「ヒケイカクソウ」を作った。カーマの店内に吊り下げられた「漆喰塗り&壁紙貼り体験教室」の張り紙へ、よろよろと近づいて行く。

「これに参加したいんですが。どうしたらいいんでしょう?」

お店のお姉さんへ尋ねると「土日の催し」として予約なしで、誰でも参加できるとのこと。興奮しながらあれこれ質問していると

「そこまでやる気があるのなら、平日に来ませんか?個人レクチャーできますよ」

うそ。そんなことが!すぐに約束を取り付け、担当の男性がやって来るという日時に合わせ、再びカーマへ駆けつける。

「よろしくお願いします」「はい。ではまず、漆喰塗りからいきますね」

このレクチャーのすばらしところは、お兄さんの説明&実演の後、実際に道具を使って「やらせて」もらえるところ。ってか、道具を手渡され

「はい、やってみてください」

と、軽く言われる(笑)。「漆喰塗り」は軽くクリアー。もともとマラガの家の壁は、全て自分で塗っていたので、その延長上。いよいよ初体験の「壁紙貼り」へ。

「まずは、道具を説明します」

ペンとノートを手にひたすらメモ。道具って、可能性だ。創作の世界が広がる〜。すでに興奮状態。あぁあ、カーマに毎日通いたいくらい(ふつうは美大やアート教室へ?)。

「生のりのついた壁紙を、これから貼っていきます」

お兄さんが見本を見せながら、工程を説明してくれる。これがなかなか、ちょっとしたコツがあちこちに詰まっていて、そそられるのだ〜。

「ロールは上下に動かします。左右はダメです」「どうして?」

「反対にハケは左右に動かします」「どうして?」

「右手のカッターは最後まで絶対に離してはいけません。左手のベラを移動させながらカットし続けてます」「どうして?」

「ベラの外側切ります。内側はダメ」「どうして?」

好奇心のおもむくまま(笑)。「どうして?」が止まらない〜。どんな質問にも、気持ちよく即座に答えてくれるお兄さん。心が洗われる〜。

「さあ、やってみてください」

2メートルほどの壁紙を、どさっと手渡される。ざっと10ばかりの工程がある。メモしたことを思い出しながら

「大きな壁紙を両手に脚立に登る」

これだって、慣れていないと怖いかも。まさか、想像もしていなかったが、実はこれから

「30回近く、脚立を登り降りする」

ことに。いや、参加して「えええっ⁉︎」ってなった人、絶対いると思う(笑)体験教室、甘く見て。もちろん私は、興奮の絶頂〜。

「ここが大事!右手のカッターを最後まで離さないで」

お兄さんの指示が飛ぶ。やってみてわかったが、ここが「要」なのだ。脚立の上に乗り、上から下まで壁紙をまっすぐに切る。書けば1行なのだけど

「壁紙の上部は脚立の上で」「中間部は脚立を降りながら(その間も右手のカッターは絶対に離せない!)」

「底辺部はひざまずいて(ここまで、左のベラを移動させながら、カッターを持つ右手を絶対に浮かせないよう動かす)」

かなりの集中力が必要。足腰の筋力も。カッターに慣れている私でも、ここまで20分ノンストップ。それなりに疲れを感じる。と、その時・・・

「はい、集中!ここで気を抜かない」

背後からお兄さんの声が飛ぶ(笑)。体育系や〜。おかげで、ぐっと集中。なんとか最後までやり遂げ、ほっとして振り返ると

「前にやったことある?手つきや体の動きが違う」

なんと、お店のお姉さんが「体験ショー」を暖かく見守っていてくれた(笑)。先日「そこまで本気なら、個人レクチャーがいいよね」と、話をつけてくださったあの方が、わざわざ見に来てくれたのだ。

「すばらしい体験をありがとうございました!家のリフォーム、やる気満々です」「いやぁ、何十人と来たけど、ここまでできる人は〜」

褒めてもらえるのは、制作部門だけ(←家事・計算・事務処理・日常生活は全滅)。聞けば、三河地方にカーマはたくさんあれど「ここでしか行われていない体験教室」らしい。オーレ!

お兄さんとお姉さんにお礼を言って、カーマを出る。体の中からふつふつと湧き上がって来る、怪しい興奮。

「家の壁を漆喰で塗りたい」「壁紙を張り替えたい」

無限のわくわく。可能性。今回の日本滞在中では、さすがに着手する時間がないけれど、漆喰と壁紙の新たな可能性を再発見。家の自力リフォーム、アートハウス、やるぜ〜。

さて。夜はのんびり、父とテレビで野球観戦。巨人ファンの父が一喜一憂する横で、軽く筋トレ。これ全て、塗ったり切ったりするため。スマホをいじっていたら

「えっ、岐阜県美術館でシスコ・パラダイス展やってるの⁉︎」

きゃー。ずっと見たかった塔本シスコさんの作品が一堂に。疲れもふっ飛ぶ〜。

「お父さん、岐阜県美術館に行って来るわ」「はっ?」

この計画性のなさが、ももきみどり。不思議な偶然を生むことに。人生はサプライズに満ちている〜。(明日に続く)

★作品紹介「ヒケイカクソウ」。計画性のなさを楽しむ〜(笑)。非計画の草(花)。

 

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