日本上陸記&ジャマグア

【一日一作プロジェクト】「ジャマグア」を作った。朝一番、赤えんぴつおじさんから、連絡が入る。裏のドアを取り替える案件。

「いい方法がある!これなら入口スペースも確保できるし、2万円安くなるよ」

やり方を全く変えてみる、とのこと。あれから取り付け方法を、あれこれ考えてくれたの?それでさらに安くなるの?あぁあ、私の胸きゅんは本物だった。真の職人さんは

「最良の道を発見するアルケミスト」

なのだ。尽きない好奇心と探究心。経験と直感の総動員。家のリフォームは、めくるめく職人さん達の脳内プロセスに寄り添える機会でもある。あぁあ、このままずっと家の中を出入りしててほしい(笑)。

「こんにちは、照明はどうなりました?」

工務店のYさんが、仕事の合間に駆けつけてくれる。実は、箱を開けてよく見たら「直接天井につけるタイプ」のような気が(汗)。それだってはっきりしないのだが、確かダメなやつでは・・・

「返品できるのか」「それも3つ」

不安が押し寄せる。まずはYさんの判断を仰がねば。玄関に現れたYさんを見るや、心配で張り詰めていた気がふっと緩み

「Yさん、照明をまちがえて買ったかもしれん」「・・・そうですか」

Yさんは顔色ひとつ変えず、静かに呟き、私たちが大喜びで買った照明器具を確認し始めた。それを黙って見守る父と私。

「これ、大丈夫ですよ。取り付けられます」「えっ、うそ⁉︎ほんとに?」

全身から力が抜けて行く。よかった〜。Yさん、ありがとうー。実は「色だけで選んだ」と、唐突に告げると、Yさんの瞳が一瞬揺れた(←あれだけ買うための条件と情報を教えてくれたのに)。

「これ、スペインのお土産のチョコレートです」「えっ、あっ、どうも」

これを食べてエネルギーアップしてほしい。うちで、失われた分(笑)リカバーしてもらえたら。あぁあ、プロの人たちと一緒に作業を進めるのって楽しいなぁ(あちらはどうかはわからないが。笑)

「じゃ、行ってきまーす」

午後から、ぼっち満喫プラン。まずは買い物へ。お昼はサイゼリアでランチ。赤ワインとエスカルゴで乾杯。このニンニクソースをハンバーグセットにかけると、めちゃうま〜。ワインにぴったり。

「お次は美容院へ」

10数年前からカットは自分でしているので、白髪対策。自然素材にこだわるお店で「ヘンナ2度染め」をしてもらう。ふだん自分の肉体をほったらかしにしているので

「せめて日頃の感謝を込めて、体をいたわる」

ぽかぽか頭を温めてもらい、炭酸シャンプー&マッサージ。あぁあ、こんなに気持ちがいいのは、どれだけぶりだろう。快感に包まれ、至福の2時間半。もうふらふら。1年に1度の贅沢じゃ〜。

「ヘンナでパイナップルみたいになった写真を撮ればよかった」「次回、絶対に撮りましょう!」

お姉さんが、こぶしを突き上げる。美しくなるために通過する、衝撃的な姿(笑)。これを撮らずして、何を?

「そうだ、花を買って帰ろう」

母へ捧げる花。父が手作りした小さな祭壇には、果物やお菓子、熱いお茶が供えられている。そこに向かって、父は毎日手を合わせ

「お母さん、ベラさん、おばあちゃん、あっちゃん、おはようございます」「今日は○○をします」「明日は○○なので、お守りください」「今日もありがとうございました」

と、話しかけている。それも大声で(笑)。家に帰ると、父が庭いじりをしていた。ゼラニウムのピンクの花が落ちていたので、そっと拾い上げる。

「グラスに入れてリビングへ」

それだけで、なんとテーブルが華やぐことか。夕食の後は、買ってきたケーキでお茶。そして、ボールダーツゲーム。またしても父の圧勝。なんなん?本気でやってるのに。

日本滞在も、残すところあと2日。そろそろ荷物をまとめなくっちゃ。出国入国の準備も。またPCR検査?Q Rコード?必要書類や条件、変わってないよね?

しかし。実は、その前にやることが。ここまで「後回し」にしてきたけれど、やらずに帰国するわけにはいかぬ。そう、あのスペインから運び込んだ

「大量の作品たち」

の大整理しなくては。どばっと積み上げたまま、ほかっておくわけにはいかんやろ〜。除湿剤や防虫剤もセットせねば。明日は腹をくくって、作品整理だ。やるぜ〜(←気分は夏休み最終日)。

★作品紹介「ジャマグア」。「炎(左上)」と「水(右下)」がひとつに。「ジャマ(炎)」+「水(アグア)」の造語。コルクアート。

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