【一日一作プロジェクト】「花葉伝(はなはでん)」を使った。朝起きると、腰の痛みでベッドから起き上がることができない。枕を移動し、体の向きを整え
「ひっくり返った亀が起き上がる」
かのごとく(涙)。たかが、ベッドから起き上がるのに全力だぜ〜。まず、ベッドのヘッドボードにつかまり、さらにサイドテーブルにつかまり、腰に負担がかからないよう、上半身を起こしていく。
「PCR検査が待ってるのだ〜」
実に15分かけて、やっとベッドから抜け出せた。恐るべし(汗)。なのに、歩き出すとほとんど痛くないから不思議。朝食を食べ、ホテルの無料送迎バスで成田空港へ。
「予約は11時半だけど、10時半でも検査してくれるかなぁ」
まあ、ダメ元で「PCR検査会場」へ。昨年はざっと80人くらいの人が、待合室で待っていた。さて、今回はいかに。
「あの、1時間早いんですが、大丈夫ですか?」「はい、今すぐできますよ〜」
待合室をのぞくと、えっ?はっ?うそ。3人。少なっ。体温、血圧、問診まで3分で通過。あっという間に、綿棒を鼻に突っこむコーナーへ。
「怖いよぉ」「大丈夫。コツがあります」「それをすると痛くないの?」「不快ですが、検査が早く終わります」「それ教えて〜」
お兄さんは、暇だったのもあるんだろうけれど、子供に言い含めるように、優しくアテンドしてくれた。
「不快でも、絶対に目を閉じてはいけません」「えっ?なんで?」「目を閉じると鼻腔も閉じる。狭くなると綿棒がそこでストップするので、検査が長くなるんです」
それだけで楽になるなら。目をしっかり開けていようぞ〜。綿棒を手にしたお兄さんが、きりりとした口調で言い放つ。
「さぁ、顔を上げて」
するりと鼻の奥へ侵入する綿棒。ぎょえ〜。不快の極致。
「うっ」
思わず目を閉じてしまう。が、お兄さんの言葉を思い出し、必死で目をこじ開ける。その瞬間、頭上から
「そう、いいよ〜。上手だよ。あと少し。そうそう、目を開けたまま。いいよー。すぐに終わるからね」
そんな励ましを聞きながら、PCR検査をしたのは初めて(笑)。綿棒が鼻の奥から抜き出された瞬間
「あぁあ、励ましをありがとうございました」
どんな検査なん(汗)。結果は3時半に取りに来るはずだったのだけど「1時半には出ます」とのこと。空港で買い物でもして、ランチすればいっか〜。
「うそ。半分以上が閉まってる」
閑散(涙)。空港のショップのほとんどが、臨時休業か空きペース。なんという寂しさ。せっかく本を買おうと思ったのに。残念。開いているお店を探して、よろよろと歩く。
「おっ、無印良品が開いてる」
機内で食べる食料をゲット。さらに。私の目は「クッション」の上で釘付けになった。いや、本当は「首の周りに置く枕」なんだろうけど、腰痛を抱えた今の私には
「これを腰回りにおいたら、最高にしっくりするんじゃ?」
お買い上げ〜(笑)。ランチは「カキフライ&おろしハンバーグ定食」。さらにコンビニで、夕食を調達。腰痛もあるし、日本最後の夜は部屋でのんびりしよう。
「おっし、1時半。PCR検査の結果を取りに」
これまた1分で、証明書を手渡される。結果はネガティブ。やった〜。これで「陰性証明書」をゲット。あとは、スペイン政府の健康アプリで「QRコード」を取得するだけ。
ささっとホテルへ帰還。実はこのスペインのアプリ、昨日トライしてダメだったので(なぜか生年月日が入力できない)
「なんとしても今日、入手しなくては」
プレッシャーがすごい。どきどきしながら質問に答えていく。昨日、入力できなかった数字も、本日は無事クリアー。やれやれ。なんとか最後までたどり着くことができた。
「やった〜、QRカードをゲット」
これで、必須書類は全てそろった。梅酒で乾杯〜。軽い夕食で、明日に備える。なんせパリ行きのフライトは朝9時発。7時には空港にいたい。ってことは、6時起き。
「明日には、腰がよくなっていますように」
祈りながらベッドに倒れ込む。寝返りができないのは本当に辛いけど、私の中に、深い平穏が降りてきた。風邪や発熱では、飛行機に乗せてもらえないこともありうる。が!
「腰痛で、搭乗拒否はない」
いいところを見よう(笑)。痛いけど、それは私の問題で、出入国には関係ないのだ〜。ほっとしたら、ゆらゆら眠気が降りてきた。はたして、どんな旅に。(明日に続く)。
★作品紹介「花葉伝(はなはでん)」。「花」と「葉」が見つめ合い、愛を伝える。コルクアート。私の大好きな「もも・き・みどり」の3色で。