【一日一作プロジェクト】「MENARC(めなるく)」を作った。夕方から、カルメンのお誕生日お祝い会。まずはセルバンテス劇場へ。
「サルスエラを見ながら盛り上がる」
満員御礼。バルコニー席だから、よく見える〜。真下には演奏家たちの姿が。俳優の表情や息づかいまで、生き生きと伝わってくる。
本日のプログラムは「El huésped del sevillano」 。あらすじはシンプルだけど、庶民的でスペイン的で、笑いどころもあって、テンポよく話が進む。
「さぁ、みんな歌って〜」
おなじみのメロディになると、俳優や指揮者が客席に向かって両手を差し伸べ、コーラスを誘う。待ってました〜とばかりに
「ルルル〜、ラリラリラー」
みんなで歌う〜。きゃー。この一体感がサルスエラ。オペラはすばらしいけれど、たいてい悲劇的な内容なので、サルスエラのこのからりとした突き抜け感はない。
なにしろハッピーエンド。笑って歌って、あっという間の2時間半。客席から「ブラボー!」の声が飛ぶ。もちろん私たちも。拍手喝采。これぞ人間力。
「あぁあ、楽しかったね」「るるるーん、らりらら〜」
歌いながら、劇場を出る私たち。歌いながら通りを歩くなんて、ずっと忘れていた。音楽って、演劇って、アートって、すばらしい。心が動くとお腹も減る。予約したレストランへ。まずはビールで乾杯。
「フェリス・クンプレアニョス!カルメン」
実はここのところ用事で駆けずり回り、プレゼントを選ぶ余裕がなく。と、正直に打ち明ける。だから、今年のプレゼントは
「最新作で」「ええ〜っ、いいの?グラシアス!」
まさに作ったばかり(笑)できたてほやほや(←昨日のブログで紹介した作品たち)。カルメンの部屋に飾ってもらたら、私もうれしい。
「お腹すいた〜」「食べよっ」
海老がゴロゴロ転がるポテトサラダ、まぐろとアボカドと海藻、スペアリブ・・・どれも絶品。ふだん夕食は少なめだけど
「おいしいね〜」「なんてバリエーション」「どんどん食べれちゃう」
おしゃべりして、飲んで食べて、こうして笑って、一緒にお誕生日のお祝いができることに感謝。もちろんケーキに乗せるロウソクも、こっそりバッグに忍ばせてきた。
「このロウソク、上に乗せてもらえますか?」
そっとお店の人にお願いする。するとなんと。ケーキが運ばれて来るのと同時に、お店のお兄さん、お姉さん方がずらりと、私たちのテーブル横に並ぶ。
「クンプレアニョス・フェリス〜」
なんとハッピーバースデーの歌を、みんなで歌ってくれるではないか〜。すてきー。なんだかサルスエラの続きみたい。笑顔に囲まれて、カルメンがロウソクの火をそっと吹き消す。
「ビエーーーーン!」
大拍手。人間の声、笑顔、思いやり、行動に勝るものなし。メガバースの仮想空間で、百万人に祝われても、こんな風に心に沁みることはない。
人生は、行動で刻まれる。人間力。幸せオーラに包まれて、この夜は帰りのバスの中でも、ずっと笑い続けていた。
「MENARC(めなるく)」
「CARMEN」の文字が踊る。MENARCはCARMENのアナグラム。「C」は月。「E」は手。よーく見ると不思議な生き物もいる〜(笑)。小さくとも、私たちは一人一人が宇宙。個性を大切に。
日本は急に寒くなったようですね。みなさま、温かくしてすてきな1日を。