【一日一作プロジェクト】「己道樹(おのれみちじゅ)」を作った。家の大整理は続く。とにかく、押入れもタンスも引き出しも棚も
「全ての物を外に出す」
ところから始まる。毎度、思うが「はたして収拾がつくのか」。呆然としながら、目の前に広がる物たちと、ひたすら向かい合う日々が続く。
「なんでこんな物が」「これはいったい」「あってもなくても」「あぁっ、こんな所にあったのか!」
あらゆるプロセスを通り抜け、最終的には収まる。いや、収める。父がショックを受けないよう、用事で出かけた隙をねらって(笑)。本日は、開かずの間である「階段下の物置き」に手をかける。
「開け、ゴマ!」
宝探しや〜(笑)脳みそをだませ。このスペースは電気が通っていないので、昼間でも真っ暗。まさに洞窟。懐中電灯を手に、よろよろと物を運び出す。
扇風機、新聞紙、大袋小袋、蛍光灯、キッチン用具、障子の紙、ペンキ、発泡スチロール・・・まずは、全てを外に出す。のはいいが
「廊下が狭くて、障子やふすまにぶつけそう」
傷をつけぬよう、あわてて障子やふすまを取り外す。どばっと物を床に広げると、まさにがらくた市。必要といえば必要だけど、なくてもきっと気づかない。
「なんとか父が帰ってくるまでに」
タイムリミットは2時間。運び出した物を、再び片付け、すっきりさせておかねば〜。惨状も、見なけれりゃ不安になることもなし。イスに座ってひと休みしていると、とんでもないことに気づいた。
「ここ、最高のスペースやん」
壁にどどーんと立てかけられた障子やふすま、白板のスペース(写真)。縁側から光が入って明るく、もともと廊下なので天井が高く、大きめのキャンバス地も貼れる。そして、天井灯もある。
「このままペイントできそう〜」
いやぁ、これは大発見。「開けゴマ!」のご利益。お宝、大発見。ペイントするのに最適なのは「廊下」だった(笑)。ならもう
「ふすまや障子、いらないのでは?」
仕切りをなくし、廊下を部屋の1部に。「間取りを変えて使う」という新たな展開に、鼻息を荒くしていると「おまんじゅう買って来たよ〜」と父が帰宅。さっそく庭へ。ほっこりガーデンティータイム。再び家の打合せ。
「お父さんの寝室を、1階にしたらどうかねぇ」
これまで30年以上、父の寝室は2階だった。けれど、足腰が痛む時は登り下りが大変。足を引きずって、階段を登る父の姿を見るのは忍びない。
「今のリビングを、お父さんの個室にしたら?」
庭に面した南向きで、天井まで大きな窓がある。日差しさんさんで、そよ風も入る。テレビ、テーブル、イス、ソファ、エアコンは揃っているので、あとはベッドを入れるだけ。
「お父さんが2階の方がいいって言うなら別だけど〜」「確かに1階の方が便利だなぁ」「この際だから、起き上がれる電動ベッドはどう?」「サイドに手すりのついたベッドがいいかな」
ようやく父も、前に1歩踏み出す決心をしてくれたよう。父娘、二人三脚の家づくり。家は、変わっていく。今の自分に合わせて。より快適に。作りかえていくもの。
「己道樹(おのれみちじゅ)」
「己」文字。「道」であり「樹」でもある。どんな道でも、樹でもいい。でこぼこ、うねうねOK。この世でたった1本の「己道」「己樹」。楽しみながら進んでいきましょう。
みなさま。すてきな1日を。