【一日一作プロジェクト】「乾杯は心と心をつなぐ祈り」を作った。昨日まで「新聞紙」が貼り付けてあった廊下に、ついに「仕切り戸」が。これまで暖房やすきま風で
「カサカサ」「がさがさっ」
と音がしていた(笑)。不思議な気配。お昼過ぎに、建具屋さんのSさんが登場。今朝できあがったばかりという「手作りの戸」が、うちに運び込まれる。その瞬間
「ふわぁ〜」
と、木の香りが広がる。鼻腔を突き抜け、脳天にまで届く芳香。聖なる木の匂い。その香りに誘われ、父も飛んでくる。
「いい匂いだねぇ」「ヒノキを使っとるで〜」
日本住宅って、すごいな。スペインでは、扉から香りが昇り立つなんてことはない。鼻の穴を広げ、脳天まで「木の香り」を全力で吸い込む。
「香りは一瞬の瞑想」
雑念を払ってくれる清らかさ。聖香。Sさんが微調整を加えながら、戸を開け閉めするたび「ふわっ」と木の匂いが、縁側や台所にまで届く。
「あれ、下が。そうか〜。こっちを・・・」
Sさんのひとりごとが続く〜。築30年を越えるうちの家は、柱や壁などが少しずつゆがんでいる。どの角も四角でなくひし形なので、既製品そのままでは入らない。そこで、職人さん達の手作業、技でなんとかおさめてもらうのだ。
「シュッシュッ」「ザッザッ」
カンナの音が、またいいのう〜。木材だから、微妙な調整が可能。日本家屋ってすごいな(スペインは基本的にレンガベース)。カンナで削って微調整しながら、少しずつ作業が進む。そしてついに
「できました」「おお〜、すてきですね!」
軽くて、明るくて。ヒノキと半透明のアクリル板がいい感じ。これまでのガラス戸の重たさ、閉めるとガチャンと音がするのとは大違い。軽々指1本で、音もなくスムーズ開閉。
「開け閉めするのが楽しい〜」
まぁ、昨日までの「新聞紙バリケード」とは、雲泥の差(笑)。ビフォー&アフター、変わり過ぎやろ〜。
「明日はお昼過ぎに来ます」「お待ちしてまーす」
南側の仕切り戸を取り付ければ「家の修繕」も全て完了。うれしいような寂しいような。庭に出たら、もう梅の実たちが。きゃー。4月になったとたん、庭がすごいことに。じょんじょん生えてくる〜。
「乾杯は心と心をつなぐ祈り」
グラスの中に、思いが宿る。「友情に乾杯」「私たちの未来に乾杯」「家族が幸せでありますように」「うまくいくといいね」「いい旅を」「元気でね」「また会えますように」・・・乾杯は、心と心をつなぐ祈り。それこそが聖杯。
みなさま、すてきな1日を。