庭和

【一日一作プロジェクト】「庭和(にわ)」を作った。家の修繕も、いよいよ最終日。朝からSさんが「仕切り戸」の取り付けをしてくれる。

「これで最後ですね」「よろしくお願いします」

昨日に引き続き、板を切り、カンナで削り、微調整して、金具を取り付け・・・細々とした作業が続く。家中に漂うヒノキの香り。吸い込むたびに快感。ふうっと呼吸が深くなる。

「なんという雅(みやび)感」

その一方で、床には巻尺、ノコギリ、カナヅチ、カンナ、ドライバー、木のカケラなどが転がる。このコントラスト。

「なんという現場感」

笑。私の大好きな制作現場のライブ感。木のすばらしさ、木と暮らせる歓びを、今回Sさんに改めて教えてもらった。そして、Yさんチームのみなさんに

「しっかり作ってあるいい家ですね」

と言われるたび(築30年で歪んでいても、敷居とか天井とか見るポイントが違う)、この家を建ててくださった

「当時30代だったAさん」

のことを思い出す。父いわく「若かったけれど、とにかくやる気があった」「情熱も体力もあり、本人自ら工具を手に飛び回っていた」とのこと。私も20歳の頃、Aさんに会ったことがあり

「温もりのある、気さくなおじさん」

と(失礼ながら)当時の私は思っていた。今、自分が54歳になり「めちゃ若かったんだ〜」と驚かされる。30代で、こんなしっかりした家を一から作れるなんて。すごいなぁ。そして。75歳で現役のSさんも、またすごい。

「あっ、ちょっと取って来たいものがあるで〜。家に行って来ます」「はい、どうぞ」

これもご近所さんだから(笑)。できる限り、私は地元の職人さんたちにお願いしたい。自国ファースト。地元ファースト。近所ファースト。そして、ひたむきにがんばる

「個人事業主の人たちを応援したい」

納得いくまで、時間も度外視して作業に打ち込む後ろ姿。ぴしっとした仕上がりに、Sさんの見えないサインが刻まれているよう。 

「できました。遅くなっちゃったけど〜」「ご丁寧にありがとうございました。また秋にリフォームするので、よろしくお願いします」

アクリル板なので、軽い。指1本ですっと開く。そして、音がしない。透明なので圧迫感もなし。これにて、家の修繕は無事完了。リフォームブログも終了(笑)。

小雨の中、庭へ。うわぁ、また育っとるやんか〜。毎日、変化がある。見るたびに発見がある。「庭」は、ひとつの宇宙。無限の可能性を秘めた聖域。声も言葉もなく「大切な何かに気づかせて」くれる場所。

「庭和(にわ)」

いろいろな文字が集まり、ひとつの宇宙を作る。バラバラのようで、不思議な調和の中にある。個性を

「自分らしさを全面に押し出し、なお調和する力」

それが、真の「和」。庭を見れば、よくわかる。自分を抑え込み、周りに合わせることではけしてない。私たちも、のびのびと命の花を咲かせよう。

みなさま、すてきな1日を。


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