【一日一作プロジェクト】ボトル&ワイヤーアートを紹介中。昨日の続き。豊橋動植物園「のんほいパーク」レポート。
「キリンの赤ちゃんに会いたい」
その思いで、父は歩き続ける。動物のサイズが大きくなると、それぞれのスペースが広くなり、とにかく歩く距離が長くなる。父の休む頻度が増えてきた。
「ちょっとあっち見てくるね」
ひと休みする父をベンチに残し、5分〜10分ほど横道に入る。猿や鳥、夜行性の動物たちのコーナーなどをちらり見。とにかく緑が多く、森の中を歩いているよう。
「橋、渡り通路、トンネルを通って」
大冒険は続く。とはいえ、すでに5000歩越え。「近道を通って車に戻ろうか?」と帰宅をうながすも、父は「休めば歩ける」と、どれだけ休んでも前に進んで行く。最後の力をふりしぼって、ついにキリンコーナーへ到着。
「あぁあ、キリンだ!」「かわいいーーーっ」
広々とした敷地内を、優雅に歩くキリン。赤ちゃんキリンにもついに会えた。お披露目前のスタンバイスペースで。お母さんキリンの横にくっついて、なかなか顔を見せてくれないけれど
「安心してるんだなぁ、お母さんのそばで」
父は、キリンを見つめて動かない。静かな感動が、内に押し寄せているのがわかる。産まれて2ヶ月目の赤ちゃんキリン。どうか無事にすくすく育ってくれますように。幸せな人生であることを祈って。
「本当に来てよかった。自信がついた」
大満足の父の笑顔に、ほっ。痛い足を引きずってここまで歩いた。キリンに会いたい。動物たちに会いたい。2人で一緒に歩きたい。その父の強い思いが、この大冒険を可能にした。
「明日は筋肉痛だね」「次回は植物園に行こう」「展望台にも登ってみたいな」
のんほいパークには、エレベーターで登れるタワーがある。なんと展望レストランになっていて、景色を眺めながらランチができるらしい。きゃー。これで次回の楽しみが増えた。たぶん3回くらいで回れるのでは〜。
いざとなれば、車いすを貸してもらえるという安心感。動物園がうちから車で20分という近さであること。そして、この秋晴れ。いろいろなものに助けられて、親子遠足は無事終了。
「生きるとは、挑戦すること」
それを今日、父に教えてもらった。だめかもしれない、不安でも、やってみる。そんな父の姿に勇気をもらい、私も
「どんどん突き進んでいこう」
と思う。いや、もしかしたら、私に必要なのはブレーキの方かもしれないけれど(笑)。
暖かく秋晴れの続く日本。こんなすばらしい10月に帰って来られてよかった。みなさま、すてきな1日を。