スペインは9月が新学期。日本の4月にあたります。
うちのピアノ&バイオリン教室にも新しい生徒さんたちが登場。
家の大掃除をし、新学期にむけて心機一転。
新たな気持ちで再スタートをきる、9月のスペイン。
今年、ベランダ菜園をして、不思議な経験をしました。
かぼちゃやピーマン、トマト、メロン・・・ごみ箱に捨てるかわりに種をまく。
鉢なので限界はあるけど、芽が出て、どんどん育つ。
30センチ以上に育ってから、かぼちゃとメロンはしぼんでしまった。
「やっぱり土じゃないと、収穫できないよ。庭付きの家じゃないと無理だね」
とある友人が、「こんな無駄なことを」という口調で言った。
わたしは、少しびっくりした。
最初から、「収穫」が目的ではなかったから。
「どんなふうになるのかな」
という、プロセスが目的だったから。
プロセスが目的になると、毎日が楽しい。
結果は、おまけ。おくりものみたいなもの。
目的、目標、夢を達成しようと思って、わたしたちは歩く。
なかなか達成しない。苛立つ。あせる。悲しくなる。
「結果」を見たいと思う。そう思って、わたしもやってきた。
音楽屋になると決めて、スペインに渡って
3年、5年、10年・・・そして今年で17年。
生活はあいかわらず。貧乏だし先だって見えない(笑)
でも、あるとき、はっと気づく。
目的、目標、夢に向かって歩いている、そのことが、ゴールなのだ、と。
毎日、毎週、毎月がゴール。
歩き続けること、そのものに意味がある。
挑戦し続ける、その姿勢こそ「ゴールの真の姿なのだ」と。
プロセスこそが、ゴール。結果じゃなくて。
若い人たちには、わからないかも。
わたしも10年前は、わからなかったから(笑)
そして、成功や結果もいいけけど
「いっしょに人生を共有する家族や友達がいる」ことが、一番だと思う。
結果が出ない自分を応援してくれた人たちですよ!
こんな宝ものがあるかなぁ、と思う。
最近、聞いたすばらしい言葉を、みなさんにお届けします。
作家へのインタビューでしたが、心に残るフレーズでした。
Q.「パラダイス(楽園)は、この世に存在すると思いますか?」
A.「どうかな。パラダイスは砂漠に浮かぶ蜃気楼のようなもの。
たどり着くためでなく、そこに向かってまっすぐ歩くためにあるんだよ」
今年も残すところ4ヶ月。
すばらしい日本の秋をお楽しみください。