【一日一作プロジェクト】2022 年の作品群を紹介中。父が突然、力強く言い放つ。
「めめだがわへ行こう」
めめだ?ん?なにそれ?どこなん?すると、新聞の切り抜きを差し出しながら
「菜の花の河津桜が一緒に見られるんだよ〜」
ほぉお。「免々田川(めめだがわ)」って書くんだ。特に観光地というわけではなく、地元や近所の人が、川の両岸に植えられた菜と河津桜を楽しみながら歩く散歩コースらしい。黄色とピンクのコントラストが美しい〜。
「お父さん、歩けるかねぇ」「歩けるさー!」
本人のやる気が1番大事。写真をよく見ると、川の上に「鯉のぼり」が泳いでいる。とにかく春感がすごい。天気はイマイチだったけれど
「早く行かないともう桜が散っちゃうよ〜」「よし、行こう!」
豊橋市からお隣の田原市へ。伊良湖岬をめざして259号線を進む。豊橋っ子には、この辺は「庭」なのじゃ〜(笑)。
「あっ、菜の花!」「鯉のぼりも泳いでる〜」
あわてて車をとめ、川岸の小道へ。黄色とピンクの並木道。なんてすてきなんだろう。平日のせいかほとんど人もおらず、ワンコと散歩するご夫婦とすれちがう。
「あんなところに鳥が」「日光浴してるんだね」
一列に並んで。気持ちよさそう。なんという平穏。幸福感。安心感。心がゆるんで、眠たくなるような。花は、自然はなんて一瞬で、私たちの心を抱きしめてくれるんだろう。
「鯉のぼりが泳いでるよー」「ベンチもあるね」
足腰が痛む父も、花に、鳥に、春に誘われ、ポールを手に歩き通す。河津桜は見頃を過ぎていたけれど、スペインへ戻る前に「桜が見られた」ことがうれしい。それも父と肩を並べて。
「花がなかったら」
この世はずっと悲しく、暗く、さみしいものになっていただろう。花って、すごいな。無条件に私たちを癒やし、幸せな気持ちにしてくれる。それで思ったけど、使わない空き地なんかは
「とりあえず種をまいて、花でいっぱいにしておけばいいのでは?」
花ゲリラになろうかな〜(笑)。いつもポケットに種を忍ばせて、ささっとまく。秘密の任務。あとは、太陽と雨と大地が育ててくれるさ〜。
「鯉のぼりを作ってみたい!」
空を舞う、ももアート。ナイロン素材を縫い合わせてできないかしら。こういう技術的な知識が圧倒的に不足している。ひらめきと情熱は無尽蔵だけど。
「屋外アート。空間アート。立体アート。自然と一体になって、みんなで楽しめるアート」
いったいどこに行くのか〜。行き先はまるでわからないけれど、大切なのは自分自身に忠実に。「己道」をひたすら進んでいこう。
「遊び心が、私たちを導く」
できることより、やりたいことを。今日から太陽が続きそうですね。みなさま、すてきな 1日を。