【一日一作プロジェクト】「ノー(受け入れない)」を作った。「手続き問題・5」。ココと2人、ハビ吉のマンションへ帰還。
「この部屋が、今日から私たちの家だよ」「ひゅ〜っ」
ベッドが部屋の半分を占めるので、小さなデスクとイス、鳥かご、整理キャスターでいっぱいになってしまう。ココは移動用キャリーから出ると、いつものように
「自分のイス」
へすぐさま飛んで行った。鳥かごには見向きもせずに。まずは部屋をくまなく探検。我らがテリトリーを自分の足で歩いて確認。羽をぼわっとふくらませ、大満足の様子。
「小さくても、一時的でも、ここが私たちの家」
ささやかな幸せ。ささやかな夕食。小さなデスクに向かい合って。熱々のオムレツとチーズとパン、そしてバナナ。
「おいしいね」「ひゅいっ」
皿に頭を突っ込んで、勢いよく食べるココ。その姿に元気をもらう。環境が変わったせいで、ボロボロになってしまうオウムはたくさんいる。自分で羽を抜いてしまったり。でも、ココは
「周りに対して強く拒絶」「受け入れない」
姿勢を取り続け「問題児」ではあったけれど、自分の体と心を守り抜いた。たった1人で。先もわからない状況で。もしあの時、ぺぺのもとで、あきらめて現状を受け入れていたら
「こうして一緒にいることはなかった」
自分の人生はこれではない。ここではない。それをはっきり意思表示し、一貫して貫いた。この小さな体の中に、そんな燃えるような意志とパワーが宿っていたなんて。
「受け入れない大切さ」
を、ココは身を持って教えてくれた。だったら私も。己を貫くから、道が拓く。これから先、手続き問題で政府機関からどんな難問を突きつけられようと、何度ノーと拒絶されようと、
「そうですか、と引き下がらない」「受け入れない」「それを突破する方法、1%の可能性を探して行動する」
おまえだってそうしたんだもんね。今度は私の番。お母さん、やるぜ〜。バナナを食べ終えると、私たちは疲れ果ててすぐに眠ってしまった(つづく)。
★作品紹介「ノー(受け入れない)」。己を貫くから、道が拓く。「ESPERANZA(希望)」「NO」文字。