【一日一作プロジェクト】草履アート「夢芽シリーズ・2」を作った(2022年の作品を紹介中)。「手続き問題・8」。スマホ片手にインターネットで
「フランスの国際引越し業者、および国際動物輸出入業者」
をリストアップ。さっそくメールを送る。その道のプロなら、素人の知らない情報やコンタクトがあるのでは。経験だって。問題は、質問も回答も全てフランス語なので、とにかく時間がかかる。
「これがスペイン語なら、押したり詰めたりできるのに」
なかなかクリアーになっていかない。訳してはメモ、をひたすらくり返していたら、ボールペン1本が終わる。早っ。ほぼ10日ほどで、各業者からの返事が出そろう。結果から言うと、
「国際引越し業者は、すべて撃沈」
まぁ、想像はしていた。「証明書の取得込み」で見積りをお願いしていたので「書類の取得はしません」で、終わり。
頼みの綱である国際動物輸出入業者。こちらはペット輸送のプロなので、書類の準備も日常業務。「私たちのケースを引き受けてほしい」とお願いするも、輸送するペットが犬や猫でなく
「絶滅危惧種のヨウム」
だと知ると、一気に雲行きが怪しくなり、次々とお断りの連絡が(涙)。そんな中、たった一社だけ「お見積もり」を送ってくれるところがあった。大喜びで読み込んでみると
「肝心かなめの、各種証明書の取得が含まれていない」
そのための依頼なのに。ちゃんとそう書いて送ったのに。それを全く無視して見積もりを送ってくるって、なんなん。がっくりしながらも「各種証明書を取得した場合の見積もりをお願いします」と再依頼。すると翌々日、
「フランス政府に確認したが、明確な回答がない。リスクが大き過ぎる」
と結局、断られてしまった。プロでも手を引く、ってことは。素人の、外国人の私が努力してできることではないのかもしれない。さすがに気落ちして、よろよろとキッチンへ。すぐにココが追ってくる。
「ひゅーい」
何も知らず、ごきげん。お母さん、がんばってるよ〜。まだ結果は出ないけど。数ミリずつでも前進。少なくとも「だめな可能性はつぶして」いるんだから
「成功に近づいている」
はず。私たちの扉に、一歩一歩近づいているんだ〜。どこにあるかはわからないけれど。いつものように2人でランチを食べていると、はっと新たなアイデアが。
「動物保護センター」「野鳥保護協会」「エキゾチックアニマル・レスキューセンター」
などはどうか。公(政府関連)もだめ。金(ビジネス関連)もだめ。となれば、次は動物愛護関連(気持ち)で、なんとか道を切り拓けないものか。
その一方で、バルセロナの動物園に勤めるCさんに電話で相談。何かアドバイスがもらえたら。思いつくこと、できることは何でもする。なんたって
「ノーと言われてからが、始まり」
なのだ。この闘いは。「ノーの中にある奇跡の1%」を探し当てるまで。前進あるのみ。ココが身をもって教えてくれた
「受け入れない大切さ」
それが、今の私の心の支えになっている。ノーと言われて「はいそうですか」と引き下がらない。「ノーから拓く人生」に、私は生まれて初めて挑んでいる。あんまり「ノー」と言われ続けて
「そうでしょうけれども、こういう可能性はないですか?」「○○ではどうでしょう?」
尋ねる姿勢から、提案スタイルに自分が変わってきている。一口に「ノー」といっても、その中にグレーゾーンがきっとある。私が知らないだけで。
笑ったり泣いたり怒ったり。心は揺れに揺れていたけれど、ココの幸せそうな姿を見るたび、何度でも怒りに似た勇気が湧き上がってくるのだった(つづく)。