【一日一作プロジェクト】2022年の作品群を紹介中。「手続き問題・10」。フランスの可能性はきっぱりあきらめ、
「別の国を探す」
とはいえ、日本入国できる国(地域)は「変動制」。定期的に厚生労働省のページで確認しないと、いつのまにか昨日まで「許可地域」だったのに
「入国禁止国(地域)になっている」
可能性が。恐るべし。ただでさえ、手続きや書類が大変なのに、最後に「ふりだしに戻る」かも、ってすごくない?あぁ、無情。
そんなわけで、毎週「指定国(地域)リスト」をチェック。情報をアップデート。そして、私は見つけてしまった。新しく「禁止が解除された国」として
「ポルトガル」
の名を。スペインの西に存在する、そのこじんまりとした国は、人間的で温かく、素朴でのんびり。フランスの高圧的な姿勢とは対極にある。
「ポルトガルへ行こう」
瞬時に決断。何より、陸路ならスペインからほとんどノーチェックで行き来できる。国際特急や国際バスが毎日運行し、私はスペインの居住IDパスを持っているので、国内移動と同じ。
調べてみると、マラガからリスボンまでバスで9時間。列車で7時間半。いずれもペットの同伴可能。もし、長期滞在することになっても、ポルトガルの物価はスペインより安い。同じ生活費でも
「パリなら1ヶ月のところ、ポルトガルなら5ヶ月」
暮らせる。そして。何より、スペイン語とポルトガル語はとてもよく似ている。たぶん3割はわかる。ジェスチャーやコミュ力を使えば、5割いけるかも。
「まずはプロの方々に相談しよう」
スペインの動物輸出入業者3社にコンタクト。私たちの置かれた状況を伝え、有料でいいからアドバイスがほしいとお願いする。どこもお金は不要とした上で、すぐにメールで返事が届く。
「フランスに比べ、ポルトガルの方が可能性は絶対に高い」「ポルトガル在住者による申請が必要。現地に友人は?」「ポルトガルにいる知人の動物輸出入業者にコンタクトを」「国が小さく扱う数が少ないのでルートがシンプル。外国人でも相手にしてくれる可能性大」
全てポジティブな返答。よっしゃ〜。これまで、フランスでしてきた全てのことを、今度はポルトガルでするのだ〜。「ノー」と言われるたび、私たちは
「近づいている。扉に」
進むべき道に。1%の可能性がある限り、前進あるのみ。さっそくポルトガルの情報をインターネット検索。新しいノートを作り、ひたすら情報を書き出す。表紙には
「ポルトガル作戦」
とマーカーで。流浪の民となり、マンションの一部屋で、荷物や鳥かご、飛び回るココに囲まれながら、
「ここが私たちの戦闘基地」
まるで先のわからない生活だけど、スマホ1台あれば、メールも電話もできる。あまりの酷使でスマホから煙が出そうだったけれど、
「まだやれることがある」
その事実が、私を前に向かって歩かせていた。挑戦できる、って可能性があるってことよね。トライできる幸せ。はたして。幸運の女神はポルトガルに?(明日につづく)