【一日一作プロジェクト】2022年の作品群を紹介中。「手続き問題・12」。ポルトガル行きの準備が着々と進む中、厚生労働省関係機関(検疫場)より連絡が入る。
「ポルトガルから日本入国するためには、指定国を経由してください」
指定国とは、日本政府が定める鳥インフルエンザの発生していない国(地域)。現在のところ、ヨーロッパ内における可能性は
「パリのシャルル・ド・ゴール空港からJALで成田空港へ」
のほぼ一択。そこで、はっとする。ポルトガルで書類をゲットできたとしても、ポルトガルからパリへ飛ぶ飛行機はあるのか?いや、実際あるのだけど、問題は
「鳥を乗せてくれる航空会社」
があるかどうか。犬猫はたいていどのエアーでもOK。なのに、鳥となると一気に雲行きが怪しくなる。さっそくメールで確認。結果から言うと1番の頼みの綱である
「ポルトガル航空、エールフランスとも撃沈」
鳥は許可されていない、とのこと。たとえ必要書類を入手できても、ポルトガルから出る方法がないとは。なんという〜。ここが解決されなくては、ポルトガルに行く意味がない。落ち込むひまもなく、
「ヨーロッパの他の航空会社はどうか」
かたっぱしらから確認。イベリア、ブリティッシュエアウェイ、ルフトハンザ、ファンエアー・・・大手のエアーは見事に全滅。どこも「鳥」は運んでくれない。
そこで、ヨーロッパ内を中心に運行する、格安航空会社に目を向ける。私自身、スペイン国内の移動はこればかり。地方へのルートを網羅しているので、あらゆる町にたどり着ける。まずは、
「ポルトガル発着のエアー路線図を手に入れよう」
スタホ片手にインターネット検索。弧を描いて、ポルトガル各地から各国へ、飛行ルートが伸びている。大手は「リスボンからパリへの直行便」なので、その可能性はさくっとあきらめ
「思ってもみない場所を経由」
して、パリへたどり着けるルートを探す。ポルトガルはヨーロッパの西の果て。その先には大西洋、アメリカが。南にはアフリカが。
「私が知らないだけで、いろいろなルートがあるんだなぁ」
ローカル線というのか。その地方の人々にとっては大切な生活の足。ポルトガルを中心とした世界地図を眺めていると、不思議な感覚に包まれた。その瞬間、全身にびびっと電流が走る。
「ヨーロッパ経由でなくてもいいのでは?」
アフリカ大陸、アメリカ大陸、中近東・・・そこに日本政府が許可する「指定国」はないのか?経由してもいい国は?
ヨーロッパにこだわる必要はない。スペインの南にはモロッコがある。スペインとモロッコを隔てるジブラルタル海峡はわずか14km。肉眼で、アフリカ大陸が見える。
「ココ、大陸を越えて行こう!」「ぷぷっ」
もはや国境ではなく。2人ならどこへだって。ヨーロッパ大陸から別の大陸へ。そこに、
「私たちの扉があるのなら」
厚生労働省のホームページを再び確認。経由できる国(地域)すべてをノートに書き出す。その中で、私の興味を引いたのは、これまで全く意識していなかった
「イスラム圏」
モロッコにもチュニジアにもトルコにも行ったことがあるので、心理的距離は近い。思いがけず、アフリカ大陸&中近東の可能性が浮上。はたして。突破口となるのか(明日に続く)。