【一日一作プロジェクト】「大いなるハグ」を作った。朝から、田原市にある滝頭公園へ。
「ここにはお母さんと何度も来たよ〜」
うれしそうな父の後をついて歩く。聞けば、山育ちの母は公園外の野山の茂みに雄々しく分け入り、嬉々として植物を物色。あれこれ家に持ち帰っていたそうな。あまりに夢中になり山奥に入り込みすぎて、
「何度も迷子になりかけて」
いたらしい。その山々を、父が指でさし示す。原っぱの向こうにそびえる原生林のような山々。高さはさほどないけれど、生い茂り感がすごい。
「あの野山に母が。そして、その姿を見守る父がいたんだなぁ」
その光景が、ふと目に浮かぶ。私はずっとスペインに住んでいて、こうした母のお出かけにつきあってあげられなかった。だから今こうして
「父と母の軌跡をたどる」
ことで、2人が過ごした時間、思い出を分かち合いたいのかもしれない。分たとえ肉体はもうこの世になくても、私たちの愛する者たちは、
「この世から、私たちの心へと居場所をかえる」
私たちを通して景色を眺め、光を感じ、新緑の中を歩き、花を愛で、同じ空気を吸う。だから、
「私たちが幸せであれば、同じように幸せ」
そのことが、私に平穏を与える。してあげられなかったことは多いけれど、母やベラの居場所である私の心を、
「最高のすみかにする」
ことは、日々できるのだ。ポールを使って父が木陰の中を歩く。痛い足や腰もなんのその。休み休み40分のコース。山百合、あじさい、ツツジ、谷間を渡る涼風。
「涼しいなぁ」「町とこんなに違うんだね」
市街地からわずか20分離れるだけで。別世界。自然の大いなるハグ。最高のエネルギーチャージ。
みなさま、すてきな1日を。