秀兄ちゃんと星の王子さま

CIMG8910 CIMG8925 今日は「秀兄ちゃん」のことを
書こうと思います。

正確には叔父さんなので
「秀雄おじさん」と呼ぶのが
正しい。
でも、12歳しかちがわず
一人っ子のわたしとって唯一
「お兄ちゃん」と呼べる存在
だったので、今だに秀兄ちゃん。

秀兄ちゃんは夏休みになると
よくうちに遊びに来てくれた。
小学生のわたしに「星の王子さま」
をプレゼントしてくれたのも
秀兄ちゃんだった。
「よくわからないと思うから
大きくなってもう一度読むように」
と、11歳のわたしに
秀兄ちゃんは命令した。
昭和54年8月20日に。

それから、わたしは何回か、この本を読んだ。
言いつけどおりに。大きくなるにしたがって。
そしてスペインに渡るとき、スーツケースに入れる本に、この本を選んだ。

まさか、秀雄おじさんご本人は、自分の贈った本がスペインに渡って
まだ、数年に一度、読まれているとは思ってもいないにちがいない。

べラに、このエピソードを話したら、とても会いたがった。
何をかくそう、「星の王子さま」のスペイン語版をプレゼントしてくれたのは
べラなのだ。
「うわばみが象を飲み込んだ絵」は、べラが世界でもっとも好きな絵だ。

11歳のわたしに、こんなプレゼントをしてくれた秀兄ちゃんに
来月、会えるのを楽しみにしている。
それも20年ぶりに。
あのとき、伝えなかった「ありがとう!」を、34年後の今、言いたいと思う。

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