年末が近づくと、わたしは毎年、憑かれたように掃除を始める。
これまでのどんな掃除ともちがう、これは「年末大掃除」。
気の入り方がちがう。
まず朝、起きるや「ジャージ」に着替える。
お供えのお水とお線香をたいてから、一目散バケツ、雑巾に向かう。
ふだん動かすことのない家具、たなの奥、引き出しの裏まで動かすのだから
30分もしないうちに、汗が吹き出してくる。
イスに上ったり、降りたり、しゃがんだり、伸びたり、ちじんだり・・・
あらゆる動きが、掃除には含まれている。
これを朝9時から、お昼の1時間ランチタイムをのぞいて、夜の7時まで続ける。
翌日は決まって、全身筋肉痛。
でも、これが「年末大掃除」。
はぁはぁ言いながら、やる。
ジャージでないと、ぴしっと気合が入らない。
年末大掃除という「年末行事」には、崇高な魂でのぞみたい。
で、ジャージ。体育系だから。
だらだらして日常着として着られるジャージとは、入魂状態がちがう。
さて夕方、よろよろになってごみを片付けていると、べラがやっと口を開いた。
「こんなに一度にやらなくても・・もう夜だよ」
「だって、年末大掃除なんだから!」
「それって、日本の習慣?」
「えっ、 世界中じゃないの?年末大掃除」
「僕は知らないよ」
「・・・・・・・」
まさか。年末大掃除は日本の習慣なのか。
これをやらないと、新年がやって来ないのではなかったか。
べラの言葉で、急におなかがぺこぺこであることに気づき
ジャージのまま、よろよろと台所へ向かった。
日本の場合、家をキレイにして神様を向かえるという習慣があるから年末に大掃除するけど、海外は新年に対して淡白だよね。
新年がやってこないってよく言うけど、それって汚い家には歳神さまがやってこないってことなんだろな。きっと。
でも、小さい頃からなんでこんな寒い時期に大掃除するのか、効率悪いじゃないかとずっと思ってたので、最近は6月末にも大祓があることを理由に、6月下旬から7月上旬にかけて大掃除をします。
その方が窓開け放したり、水を使ったりした時、気持ちいいしね。
そうはいっても、やっぱり、きれいな家で新年は迎えたいので、年末もこぎれいにする程度には掃除しますよ。
なるほどー。「お迎えする」のですね。
カトリックの国・スペインでは、メインはクリスマス(キリストの誕生)
なので、「新年」に対して日本人が感じるような
あのしみじみとした思い、感慨はないかも。
結局、「年末大掃除」は3日間連続!で決行。
家の中もあっちこっちリフォームして、2014年用に模様替えしました。
筋肉痛とともに迎える新年って・・・すてきだな。