11月に、「うちのマンションでエレベーター工事が始まった」
という話を書いたが、今日はその続編。
「密着!エレベーターなし90日」企画として、住民の階段生活をレポートする予定が
いきなり今回で終了。すみません。
日本に行く一週間ほど前に始まったこの「エレベーター工事」。
当然、工事のあいだエレベーターは使えず、住民は階段生活を余儀なくされた。
わたしたちは日本へ出発する当日、ひいひい、ふうふう言いながら
それぞれ20キロ近いスーツケースと、10キロの手荷物を
自力で、5階から階段でおろさねばならなかった。
みなさんの手に届けられたお土産は、こうした肉体労働の末に
実現したものなのである。
うわさによると工事は「90日かかる」、ということだったので
わたしたちは日本から帰ってきたら、また自力で食料満タンのスーツケースを
5階まで引き上げるのであろうと、心に決めていた。
人間、一度心に決めたあとは、意気込みがちがうもので
わたしたちは日本からの長旅でくたくたであるにもかかわらず
空港からマンションに着いた瞬間
「よし、あとはスーツケースを5階まで運ぶだけだっ!」
と、すごい気合でタクシーから降り立ったのだった。
結果から言うと、わたしたちがスペイン到着する2日前に
エレベーター工事は、終了したらしい。
わたしたち住民は、再び「楽々エレベーター生活」に戻った。
なんて快適であろう。階段生活も荷物がなければまだいいが
わたしたちは音楽屋。クリスマス、年末の演奏に
15キロ近い電子ピアノ、スピーカー、アンプ・・・などを運ぶことを考えると
やはり、エレベーターである。
取り替えられたエレベーターは、みちがえるように「かっこよく」なり
乗るとこっちが、気後れしてしまうような「モダンなデザイン」に変身した。
が、しかし、である。
5階しかないマンションで、なぜ「9階」までボタンがあるのだろう。
わたしたち住民は、この不思議をこそこそと話し合ったが
「格安で売られていた9階用エレベーターを、業者が購入したのではないか」
というのが、住人の一致した意見であった。
先日、ピアノ教室にきた生徒とそのお父さんが
「ありゃりゃ~、9階まであるね!いったい誰が住んでるの?」
と、声をあげた。
それを聞いたべラ、にっこりとうなづきながら
「ああ、上ね。神様が住んでるんですよ」