いわしランチバイキング

わたしたちがよく食べるメニューのひとつに、「いわし」がある。
スペイン語では「サルディーナ」と言うこの銀色に輝く魚を
わたしたちはたぶん、週に一度は食べている。
なにしろ魚介類の中でダントツに安く、栄養価も高いので
われらが「ぜいたく貧乏食堂」の理念に、かなった食材といえる。
ここで新年も新たに「ぜいたく貧乏食堂」の理念を、確認してみたい。

1、安いこと
2、栄養があること
3、ぜいたく感が漂っていること

この1と2は文句なしに、いわしはクリアーしているが
3のぜいたく感に、一抹の不安が残る。
素材として、あまりに庶民的なため、上品さにはちと欠ける。
そこでテーブルセッティングによって「ぜいたく感」を出すことに決めた。

「ベラ、お昼だよー」
「はーい、おなかぺこぺこ・・・」
「今日はいわしですが、今までとちがう盛り付けにしてみました!」
「・・・・・・・?」
「今までは『イワシ定食』だったよね。いわしとご飯とつけあわせ。
 今日は新企画!『いわしランチバイキング』~!」
「バイキング?」
「そう、好きなだけ食べていいの、イワシを」
「ふーん、今日は『世界イワシの日』か何か?」
「いーえ、新年の初企画、ぜいたく感出そうと思って・・・」
それには答えず、いつもイワシを買いに行くお店のお兄さんがべラを見るや
「セニョール・サルディーナ(イワシさーん)」と、呼んで手招きしたことを
とつとつと語った。そして
「今度は、サーモンやエビを買ってみたい」
と、静かな声でつけ加え、もくもくといわしランチバイキングに箸をすすめた。

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