24.ベラの日本食三昧

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3日ぶりにきみどり家に戻った
わたしたちは、うちの近くの
レストランへ昼食に。
「ランチ」の豪華さにびっくり!
のべラ。スペインには
お盆にいろいろ載ったセット、
というものが存在しない。
すべて単品なので、ランチの
品揃えは驚異、なのだ。

居間で、伊藤さん&中岡さんに
いただいた特大浴衣を披露。
「よく大きいのがあったねぇ~」
「関脇みたい」
「でも、腰紐が足りるかなぁ」
「あ、だいじょうぶ」
などと、今日も着せ替え人形。

「おひるね、お願いします」
「はい、こっち。電気ショックね」
とみ子さんに連れられ
コスモドクターの上へ。
「ああー、ぽかぽか・・・」
床暖房の神秘に触れたベラ、
スペインに戻ってから
「床暖房」が恋しくてならない。

シエスタするベラを残して、
私と父は買い物に。
2、3軒回って帰ってくると
ベラと母が、身振り手振りで
台所で大騒ぎしている。
「どうしたのー?」
「ベラちゃんが、アホ、アホって」
母が困っている横でベラ、
「にんにく、って言ってるのに」
スペイン語でにんにくは、アホ。
二人は30分も、にんにくのため
に言い合っていたらしい。

さて夜は、割引券があるとかで
ふぐ懐石を、食べに行く。
「これが、あの有名な、
ロシアンルーレットですね」
と、ピストルを頭に当てるまね
をする。
せっかくのカニも、不気味らしく
絶句したまま、固まっている。
結局すべてたいらげたが、
家に帰ると
「とみ子さんのお味噌汁の方が
僕はいいです・・・」
と、静かにつぶやいていた。

「ずいぶん寒くなってきたから
コートでも買いに行くか?」
という父の言葉に
「だめです、家がつぶれる。
 明日は節約してセロリを
食べましょう!おいしいです」
などと言い、きみどり家を
仰天させていた。

(「ニッポン再発見記25」に続く)

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