テープに録音する器械がどうしても必要なわたしたちは、
「何かないものか」と家の中をひっくりかえして探していた。
すると、なんと、わたしが会社員時代に購入した
‘取材用・テープレコーダー’が引き出しの奥から現れた。
「おおー!」音質はあまりよくないが‘ない’よりはまし。
さっそく仕事を再開。
うれしい。
テープが2本終わったので、次のテープを買いに行く。
「60分の4,5本ください。」と言ったとたん、
30才くらいの店員さん、驚いたようにわたしの顔を見つめると、
静かな口調でのたまった。
「もう、テープ売ってないんですよ。もう誰も使いませんからねえ」
誰もって、わたしたちは何なんだ、プロの音楽屋だぞう~
と言いかけてとても悲しくなり、とぼとぼ家に帰った。
そのことをべラに告げると「まさか・・・」と
すっかり言葉を失っている。
なんとか家にある10本あまりのテープをくりかえして使うことにしたが、
これからわたしたちどうなるのかなあ。momo