うちのマンションの壁に「水のしみ」ができ、
手のひら大だったのが、あっというまに30センチほどになった。
「フォンタネーロ(水道屋さん)、お願いします」
大家さんに電話をすると
「わかりました」
と、ふたつ返事だったが、それからあっというまに3週間。
この「そのうちやります感」が実にマラガなのだが
さすがに一ヶ月になるので、もう一度電話をすると
「あー、そうでしたね、わかりました」
で、さらに一週間。
いまだに、水道屋さんは現れない。
いったいどうしたものか。
壁の水しみは、少しずつ大きくなっていく。
いつか、ドバーッと壁を突き破って水流が噴き出す光景を
ひとり思い浮かべてみる。
きっと、そうなっても
「あー、今、行きますから」
と、めんどくさそうに言われるだけであろう。
(壁のしみ・2につづく)