ハビー&大使館&高級フルーツ店

CIMG5033 CIMG5041 今夜、お世話になる
ハビーとは、もう20年近い
つきあい。知り合った時は
まだ19歳のかわいい
男の子だった。

スペインのおやつは
3時はなく、6時。
これはハビーお手製の
「ズッキーニのスープ」
おいしい~。
パン、ハム、チーズなど
がテーブルに並ぶ。

マドリッドは物価が高く
多くのスペイン人は
マンションをシェアして
暮らしている。ハビーも
またしかり。おとつい
シェアしていた男の子が
出て行った、その部屋
に泊めてもらえることに。

ハビー、いつも助けてくれてありがとう!
スチュワートをしているハビーは、いつも世界中を飛び回っている。
先週、メキシコから帰ってきたばかり。
で、今週末にはもう、ノルウェーへ飛んで行くらしい。
鳥みたいな、ハビー。
体に気をつけてね。

さて、翌朝。
朝一番に、スウェーデン大使館へと向かう。
ベラは、両親はハンガリー人。生まれ育ったのはウルグアイだが
国籍は「スウェーデン」なのだ。

しかしスウェーデン大使館、開いてる時間が
「10時から12時半」、って短かすぎやしないか?
もうちょっと働いてもいいんじゃないの、と言いたくなる。
そのうえ、パスポート更新料、マラガで聞いたら115ユーロだったのに
「152ユーロです」
「115ユーロ、って聞きましたけど」
「これでも昨日より安いんですよ、昨日は160ユーロでしたから」
って、何なんだ。株か相場か。
毎日、値段が変わるパスポートってすごいな。
仕方なく、152ユーロを支払い、すごすごと大使館を後にする。

「自由にできるお金が、なくなっちゃったよ」
「安いランチを探すしかないね」
私たちは、ふらふらと力なく、来た道を引き返しながら
必死に安そうなレストランを探した。
が、マドリッドというのは何事につけて途方もなく「大きく」、
「距離感」が、マラガとはケタちがいなのだった。

「道路を横切る」だけで、100メートルくらいある。
「建物の裏に回る」だけで、やはり100メートル。
すぐに、ふらふらになってしまう。
探せど探せど、大きな建物が城壁のように連なって並び
マラガなら50メートルおきにはある
「バル」「カフェテリア」「パン屋」「八百屋」が、一向に見つからない。

「あっ、フルーツ店だ!」
ベラがうれしそうに声を上げる。
「僕、リンゴとバナナを買うよ」
近づいて行くと、そのフルーツ店は驚くことに
すごい手彫りの木製の壁や屋根でできている。
「これは・・・いったい何屋なのか」

われらがエル・パロで見慣れている八百屋というのは
店先に野菜&果物がこれでもかと乱暴に山積みされている。
が、この店は、どれも一個ずつ。
「果物じゃなくて、わたしは、フルーツよ、ふん」
とでも、言いたげに。

その店に入っていく客がまた、エル・パロとは大違い。
背広姿のビジネスマンとか、ブランド品に身を包んだ有閑マダムとか。
「いったい何なんだ、この店は・・・」

いくら、無農薬の、すごい特別なリンゴにしたって
一個1ユーロはないであろう。
エル・パロでは、1キロ1ユーロなのに。
私たちは、空腹をかかえて、ふたたび通りを歩き出した。

(明日につづく)

 

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