スペインは、もとは「レプブリカ(共和制)」の国でした。
スペイン内戦で、スペイン国民および外国から駆けつけた義勇兵を
大虐殺したあのフランコ反乱軍が
現在のモナルカ(君主制、王政)を立ち上げたのです。
君主制の頂点である、スペインのロイヤルファミリー。
カルロス王のボツワナ象狩り、愛人の発覚を始め、
クリスティーナ王女&だんなさんウーダンガリンの横領疑惑・・・と
信じられない事実が次々と発覚。
そんな中での、「王位継承」でした。
カルロス王が退位し、息子のフェリペ王子がスペインの国王となる。
その、即位のパレードがこの6月19日、マドリッドにて行われました。
スペインの右翼ファッチョのマスコミは口をそろえて
「質素」と言う言葉を使っていましたが
このパレードに動員された警察官の数、セキュリティや軍など
いったいいくらの税金が使われたのでしょう!
本当に国民のことを考えているなら
もっと「簡素で小規模」のパレードで、よかったと思います。
「パレードの経費を削減。その分、公費を国の建て直しに使いたい」
と新しい国王、王女がスピーチしていたら
国民の支持は、ずっと上がったはずです。
外国に向けての、見栄はりパレード。
自分たちだけが気持ちのいい、王族のぜいたくパレード。
これでは、「モナルカ反対」と叫ばれても、仕方ありません。
6月19日、マドリッド市内を
赤・黄・紫の美しい3色の国旗が埋め尽くしました。
それは、私も初めて見る光景でした。
スペインには家の窓やバルコニーに国旗を掲げる習慣がありますが
この日、マドリッド市内の多くの建物ではためいていたのは
現在のスペインの国旗(赤と黄)ではなく
レプブリカ(共和制)時代のスペインの国旗(赤・黄・紫)だったのです。
外国向けのマスメディアには
こんな光景はカットされて、伝わっていないかもしれません。
でも、スペインでは、何万という人がこの日
レプブリカ(共和制)時代のスペインの国旗を、家の窓やバルコニーに飾り
また町を歩く人々は、この国旗をTシャツや缶バッチにして
「こんなモナルカはいらない」
「国を、国民の手に返せ」
と、訴えていたのです。
一人の女性が、テレビのカメラに向かって、怒りをあらわにしていました。
「警察がうちに入って来て、レプブリカの国旗をおろせ!と言うんです。
私の家だって言ったら、警察の命令だって」
20代の女性が、警察官に囲まれている場面が、映し出されました。
「レプブリカの国旗の缶バッチを取れ!」
警棒でめった叩きされている、若者たち。
これらの映像は、けして日本には伝えらないことでしょう。
王位継承の華やかなパレードの裏に
こうした事実、市民の声があることを
日本のみなさんにも知ってもらいたいと思います。