友人の柴宮さんか
ら手紙が届いた。
その中にこんな
素敵な記念切手が
入っていた。
「日本スペイン交流
400年周年」。
日本の使節団が
スペインを初めて
公式に訪ねてから
400年。
そのとき誰が400年後、飛行機で自由に行き来できるようになる
と思っただろう。
柴宮さんと私は、もう二十年近く文通をしている。
出会ったときはまさか、二十年も国境を超えて
手紙をやりとりするとは、思ってもいなかった。
私たちは普通の友人がするように、いっしょに食事をしたことも
どこかに出かけたこともない。
でも、お互いの生き方に惹かれ、遠くで輝く星のように
生きていてくれることを感謝しながら、暮らしている。
縁とは不思議なものだ。
群馬県で日本料理店をされている柴宮さんは
「日本食でいっぱいの小包み」
を、何度もマラガへ送ってくださった。
私が、日本食を恋しがっているにちがいないだろうと心配して。
何度、その思いやりに、助けられてきただろう。
あの日本食はすべて、音符や音色になった。
いつか、柴宮さんの握る寿司を食べに、お店へ行ってみたいと思う。
あるいは、マラガに来てくれる日と、どっちが早いか。
手紙が届くたび、そんなことを思う。