うちの目覚まし時計は、マラガのスーパーで買ったものだ。
「大安売り!1個1ユーロ」
わたしたちは飛びついて5個買った。
リビング、台所、寝室、ピアノ室・・・と次々置きながら
「あぁ、時計があるってのは便利だねぇ」
と、腕時計をしないわたしたちは、今まで1つしかない時計に向かって
「あいや~!」
と走り回っていた日々を、なつかしく思い出していた。
「こんなかわいい時計が1個1ユーロだなんて・・・」
こみあげてくる歓びに身をふるわせながら、明朝8時にセットする。
朝1番、9時半に結婚式の件で人に会う約束があった。
「ジリリリリリ・・・・」
目覚ましの音で飛び起きる。が、なんか様子が変。
よく見ると、時計の針は8時50分を指している。
「ああ~っ、もうこんな時間!」
いったいどうして、セットする時間まちがえたんだろう。
へとへとになって帰り、時計をよく見ると
ちゃんと8時にセットしてある、ということは・・・・
「そうか・・・」
1ユーロの理由を、理解したときにはすでに遅し。
「セットした50分後に鳴る目覚まし時計」を5個も買っちゃったわたしたち。
「いいよ、50分引けばいいんでしょう?」
「え、足すんじゃなくて?・・・」
って、こんなこと毎日するのか。ああ~。momo